カブ(かぶ・蕪)の育て方・栽培方法

カブの育て方・栽培方法

1.カブの特徴と栽培時期


カブの育て方手順に沿って、畑やプランターでカブを栽培してみましょう!
カブは比較的簡単に育てられるので、初心者が栽培するのにもオススメの野菜です。

カブの栽培データ
■カブの栽培難易度:★★☆☆☆
■分類:アブラナ科アブラナ属
■原産地:地中海沿岸
■主な旬:5月~6月、10月~12月
■栽培時期:春まき、秋まき
春の種まき:3月~4月、収穫:5月~6月
秋の種まき:9月~10月、収穫:10月~12月
■連作障害:あり(2~3年あける)
■好適土壌pH:6.0~6.5
■発芽適温:20~25℃
■生育適温:15~20℃

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カブの特徴

カブは、地中海沿岸が原産地で、古事記や日本書紀にその記述があることから、日本では古くから栽培されている野菜です。江戸時代から各地方にあった品種が育成され、今では80種以上あるといわれています。

カブは収穫時の大きさによって、大カブ(直径15㎝以上)、中カブ(直径10㎝程度)、小カブ(直径5㎝程度)の3種類に分けられます。
小カブや中カブは、サラダや炒め物、一夜漬け、煮物などに利用され、大カブは、ふろふきや千枚漬けなどに利用されています。

カブの葉の部分は緑黄色野菜で、根にもビタミンCやミネラルが豊富に含まれています。サラダなどの生で食べると、効率よく栄養を摂ることができます。

カブは、やや冷涼な気候を好むため、秋に種まきをして年内に収穫するのがおすすめです。
家庭菜園で育てやすいのは小カブで、種まきから40~50日前後で収穫ができます。
カブは、プランターでも栽培することができるので、家庭菜園でも人気の野菜です。

カブの栄養素

カブには、β-カロテン、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンC、カリウム、カルシウム、食物繊維などがたくさん含まれています。
β-カロテンは、活性酸素を抑えてガンや生活習慣病を予防するほか、目や粘膜の健康を維持します。
ビタミンCは風邪の予防や疲労回復、カリウムは高血圧の予防、カルシウムは骨粗鬆の予防効果があるとされています。
また、根の部分にはダイコンと同じアミラーゼも含まれていて、胃酸過多、胃もたれ、胸やけなどにおすすめです。

カブの栄養素

カブの主な品種

カブは、多くの品種が販売されています。
品種名にCRの文字が入っているものは、根こぶ病に強いのでおすすめです。
大カブ:『聖護院大丸かぶ』『京千舞』など。
中カブ・小カブ:『あやめ雪』『耐病ひかり』『すみれかぶ』『金町小かぶ』『スワン』『はくれい』『みふね』『たかね』『四季まき小かぶ』『もちばな』など。

カブの栽培ポイント

・日当たりと風通しが良く、水はけのよい環境で栽培する。
・種まき後に防虫ネットを掛けて、害虫の産卵を予防する。
・連作を避け、同じ場所で栽培する場合は2~3年の期間を空ける。

カブの栽培時期

春まき栽培は3月~4月に種まきを行い、5月~6月に収穫します。
秋まき栽培は9月~10月に種まきを行い、10月~12月に収穫します。
生育適温は15〜20℃で、冷涼な気候を好むため、夏の栽培は不向きです。
なお、地域や品種によって栽培時期が異なるので、タネ袋の記載事項に沿って栽培するようにします。

カブの連作障害

カブは連作障害が起こる野菜です。
毎年、同じ場所に同じ科の野菜を栽培することを「連作」と言いますが、連作すると生育障害や病害虫が発生しやすくなります。
アブラナ科野菜の跡地で栽培する場合は、最低でも2~3年の期間を空けるようにします。
プランター栽培では、常に新しい土を使うことをおすすめします。

カブの好適土壌pH

カブの好適土壌pHは、6.0~6.5です。
酸性土壌に弱いので、あらかじめ苦土石灰をまいて土壌酸度を調整します。

2.カブの栽培方法(畑・プランター)

肥料

畑栽培の場合

土づくり

畑で栽培するときは、日当たりと水はけの良い場所を選びます。
種まきの2週間以上前までに、苦土石灰100~150g/㎡を全面にまいてよく耕します。
1週間前に、完熟堆肥2kg/㎡、化成肥料100g/㎡をまいてよく耕します。
畝立ては、幅60㎝、高さ10~15㎝にして、土の塊を取り除いて表面を平らにします。

種まき

カブは間引きをしながら育てるので、すじまきにします。
棒や板を土に押し付けて、深さ1㎝ほどのまき溝を作り、1㎝間隔でタネが重ならないようにまきます。
土を1㎝ほど被せてから、表面を軽く手で押さえて土と密着させます。
タネが水で流れないように注意し、たっぷりと水やりをします。

発芽するまでは、土が乾燥しないように水やりをします。通常は、3~5日程度で発芽します。

大カブや中カブの場合は、株間を25~30cmあけて、1ヶ所5~6粒の点まきにする方法もできます。

間引き・追肥

カブは、根の成長を促すために、3回に分けて間引きを行います。
【大カブの場合】
本葉1~2枚の頃に5~10㎝、本葉2~3枚の頃に15~20㎝、本葉が5~6枚の頃に30~40㎝間隔になるように間引きます。
【中カブの場合】
本葉1~2枚の頃に3~5㎝、本葉2~3枚の頃に6~10㎝、本葉5~6枚の頃に15~20㎝間隔になるように間引きます。
【小カブの場合】
本葉1~2枚の頃に2~3㎝、本葉2~3枚の頃に4~6㎝、本葉5~6枚の頃に10~12㎝間隔になるように間引きます。

追肥は、2回目と3回目の間引き後に化成肥料30g/㎡を施し、表面の土と肥料を軽く混ぜて株元に土寄せをします。小カブは栽培期間が短いため、通常は元肥だけで足りるので、追肥は不要です。

プランター栽培の場合

基本的な育て方は、畑の場合と同じように行います。
プランターは、標準タイプ(深さ20㎝以上)を用意します。
用土は市販の野菜用培養土を利用すると便利です。鉢底石を敷き詰めて、土は8分目くらい入れます。
プランター栽培では、小カブの品種が育てやすいのでおすすめです。

種まき

種まきは、すじまきが一般的です。
細い棒を土に押し付けて、深さ1㎝程度のまき溝を作り、1㎝間隔ですじまきにします。
土を1㎝ほど被せてから、表面を軽く手で押さえて土と密着させます。
タネが水で流れないように注意し、たっぷりと水やりをします。

発芽するまでは、土の表面が乾燥しないように水やりをします。
発芽後は、土の表面が乾いたら、プランターの底から水が流れ出るくらいたっぷりと水やりをします。
プランターは、日当たりと風通しの良い場所で管理します。

間引き・追肥

畑の場合と同じように間引きを3回行い、間引き後に周囲の土を軽くほぐして株元に土寄せをします。
【小カブの場合】
本葉1~2枚の頃に2~3㎝、本葉2~3枚の頃に4~6㎝、本葉5~6枚の頃に10~12㎝間隔になるように間引きます。
小カブは栽培期間が短いため、通常は元肥だけで足りるので、追肥は不要です。
追肥が必要な場合は、化成肥料5~10gを全体に施し、表面の土と肥料を軽く混ぜて株元に土寄せをします。

3.カブの栽培手入れ

水やり

カブの水やり

畑の場合は、発芽するまでは土が乾燥しないように水やりをします。
その後は自然の降雨で足りるので、基本的に水やりの必要はありません。
土がひどく乾いているときは、午前中に水やりをします。

プランターの場合は、発芽するまでは土の表面が乾燥しないように水やりをします。
その後は、土の表面が乾いたら、プランターの底から水が流れ出るくらいたっぷりと水やりをします。
水やりの基本は1日1回、早朝にたっぷりと与えます。

防虫ネット

カブには、アブラナ科野菜の害虫が発生します。
アブラムシ、アオムシなどの被害を防ぐため、防虫ネットや寒冷紗などを掛けておくと安心できます。
害虫は、防虫ネットなどの隙間からも侵入するので、こまめに葉の裏を観察するようにします。

4.カブの収穫時期

カブの収穫時期

カブは、種まきから40~50日前後で収穫ができます。
春まき栽培は5月~6月、秋まき栽培は10月~12月に収穫します。
小カブは直径5㎝前後、中カブは直径10㎝前後、大カブは直径15㎝以上が収穫の目安となります。

カブの根茎が地面に出てきたら、肥大したものから順に収穫します。
収穫する場合は、葉の付け根の部分を手で持って引き抜きます。

収穫時期を逃すと、根が割れたり、スが入って味が落ちてしまうので、早めに収穫するようにします。
生育後期に、水分や肥料分が多いと根が急激に肥大して根が割れる原因となります。
水の与え過ぎに注意し、追肥の時期が遅れないようにします。

5.カブに発生しやすい病気

カブに発生しやすい病気

カブに発生しやすい病気には、黒腐病、根こぶ病、白さび病などがあります。

黒腐病(くろぐされびょう)

黒腐病は、土壌中の細菌によって起こる病気で、春と秋に比較的気温が低く、降雨が多い年に発生しやすくなります。
細菌は、葉の傷口や害虫による食害痕から侵入します。葉の先端部が黄色くなり、中心に向かってV字型の病斑を生じ、やがて葉全体が枯れてしまいます。
アブラナ科野菜の連作を避け、多湿にならないように注意し、水はけを良くします。発病した株は、早めに撤去処分します。

根こぶ病

根こぶ病は、アブラナ科だけに感染する病気です。病原菌が根から侵入して、根にコブができます。
地上部の茎葉が栄養を吸収できなくなり、生育不良になります。
アブラナ科野菜の連作を避け、水はけの良い環境で栽培します。発病した株は、早めに撤去処分します。

白さび病

白さび病は、カビによる病気で、葉の裏側に多数の白色の病斑が現れます。雨の多い時期に多湿条件で発生しやすくなります。
アブラナ科野菜の連作を避けるとともに、畝を高くして排水を良くします。発病した株は、早めに撤去処分します。

6.カブに発生しやすい害虫

アブラナ科の害虫であるアオムシ、アブラムシなどによる食害が顕著です。
防虫ネットを早めにかけて、成虫の侵入や産卵を予防します。

アオムシ

アオムシはモンシロチョウの幼虫で、アブラナ科の野菜を好んで食害します。幼虫は食欲が旺盛なため、葉の部分の被害が大きくなります。
窒素肥料が豊富な株に産卵されやすいので、注意します。防虫ネットなどで産卵を防ぎ、葉の裏をこまめに観察して卵や幼虫を捕殺します。

アブラムシ

アブラムシは体長1~5㎜の小さな虫で、成虫が飛来して葉に産卵します。繁殖力が強く、集団で食害するため被害が大きくなります。
ウイルス病を媒介するため、健康な株にも病気が拡大します。寄生される前に防虫ネットで覆って、飛来を予防します。窒素肥料の過多にも注意します。

コナガ

コナガは蛾の仲間で、幼虫が葉の内部に潜り込んで葉の表皮だけを残して葉肉を食害します。食害された部分は、網目状になります。
窒素分の多い株に産卵されやすく、幼虫は成長が早いので、放置すると被害が大きくなります。
防虫ネットなどで覆って成虫の侵入や産卵を防ぎます。被覆した後も葉をこまめに観察して、卵や幼虫を捕殺します。

カブラハバチ

カブラハバチはハチの仲間で、体長1~2㎝の黒色の幼虫が葉を食害します。天敵も少なく、春と秋に発生します。
種まき後に防虫ネットを施して、産卵されないように予防します。

キスジノミハムシ

キスジノミハムシは、体長2~3㎜の小さな虫で、手を近づけると跳ねて逃げます。成虫が葉を食害し、幼虫は根を食害します。
アブラナ科の連作を避け、種まき後に防虫ネットで覆って、成虫の飛来と産卵を予防します。

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