■目次
1.スティックセニョールの特徴と栽培時期
スティックセニョールの育て方手順に沿って、畑やプランターでスティックセニョールを栽培してみましょう!
スティックセニョールは比較的簡単に育てられるので、初心者が栽培するのにもオススメの野菜です。
■分類:アブラナ科アブラナ属
■原産地:地中海沿岸
■主な旬:5月~6月、11月~12月
■栽培時期:春まき・夏まき(苗:春植え・秋植え)
春まき栽培:種まき2月~3月、植え付け:3月~4月、収穫:5月~6月
夏まき栽培:種まき7月~8月、植え付け:8月~9月、収穫:11月~12月
■連作障害:あり(2~3年あける)
■好適土壌pH:6.0~6.5
■発芽適温:20~25℃
■生育適温:15~20℃
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スティックセニョールの特徴
スティックセニョールは、ブロッコリーと中国野菜を掛け合わせた品種で、種苗会社サカタのタネが開発したものです。
スティックタイプのブロッコリーであることから、別名「スティックブロッコリー」や「茎ブロッコリー」とも呼ばれています。
一般的なブロッコリーは、先端にできる大きな花蕾(からい)を主に収穫しますが、スティックセニョールは、茎の部分から次々と伸びてくる側花蕾(そくからい)を収穫するように育成された野菜です。
スティックセニョールは、ブロッコリーと同じ緑黄色野菜で、β-カロテンやビタミンCなどが豊富に含まれています。
調理方法も簡単で、アスパラガスに似た歯応えと甘みがあり、茹でてサラダにしたり炒めるなど、いろいろな料理に利用できます。
スティックセニョールは、家庭菜園では夏まき栽培が一般的で、7月中旬~8月中旬に種をまくと11月上旬頃から収穫することができます。
スティックセニョールは、1株から15本前後の側花蕾が収穫できるので、家庭菜園初心者にもおすすめの野菜です。
スティックセニョールの栄養素
スティックセニョールは緑黄色野菜で、βカロテン、ビタミンC、カリウム、鉄分、食物繊維などを豊富に含んでいます。
栄養価はブロッコリーと同様で、動脈硬化やがんの予防効果などが期待されています。ビタミンCは、免疫力アップや美肌づくりなどに効果があります。
スティックセニョールの主な品種
スティックセニョール、茎ブロッコリーなどの名前で販売されています。
『スティックセニョール』『グリーンボイス』『スティッコリー』『紫セニョーラ』『スカーレットダンス』など。

スティックセニョールの栽培ポイント
・日当たりと水はけのよい場所で栽培する。
・アブラナ科野菜を2~3年間栽培していない場所を選ぶ。
・早期に防虫ネットを張り、害虫被害を予防する。
・側花蕾を長期間収穫するため、定期的に追肥を施す。
スティックセニョールの栽培時期
春まき栽培と夏まき栽培ができますが、家庭菜園では、害虫の被害が少ない夏まき栽培が適しています。
栽培する品種や地域によって異なりますので、種袋やホームセンターなどで確認するようにします。
中間地(関東地域)
春まき栽培:種まき2月中旬~3月中旬、植え付け3月下旬~4月下旬、収穫5月上旬~6月中旬
夏まき栽培:種まき7月中旬~8月中旬、植え付け8月下旬~9月下旬、収穫11月上旬~12月中旬
スティックセニョールの連作障害
スティックセニョールは連作障害を起こすため、2~3年の期間を空けるか、他の場所を選んで栽培します。
連作すると土壌中の微生物に偏りが出て、野菜の生育に悪影響を及ぼします。収穫量が極端に減少することもあるため、連作障害には注意が必要です。
プランター栽培では、常に新しい用土を使うことをおすすめします。
スティックセニョールの好適土壌pH
スティックセニョールの好適土壌pHは、6.0~6.5です。
酸性土壌に弱いので、あらかじめ苦土石灰をまいて土壌酸度を調整します。
2.スティックセニョールの栽培方法(畑・プランター)

スティックセニョールは、種から育てると温度管理が難しいので、栽培初心者の場合は、園芸店やホームセンターなどで苗を購入して植え付けると簡単です。ポット苗は、8月頃に販売されます。
畑栽培の場合
土づくり
日当たりと水はけの良い場所を選び、植え付けの2週間以上前に苦土石灰100g/㎡を全面にまいてよく耕します。
1週間前になったら、完熟堆肥2㎏/㎡、化成肥料100g/㎡を施してよく耕し、幅60㎝、高さ10~15㎝の畝を作ります。
種まき
スティックセニョールの種まきは、関東などの中間地では春まき栽培は2月中旬~3月中旬、夏まき栽培は7月中旬~8月中旬です。
3号ポット(直径9㎝)に培養土を入れ、指先で深さ1㎝ほどのくぼみを3~4箇所作り、1粒ずつ種をまきます。
周りの土を薄く被せて手で軽く押さえ、土と種を密着させて水をたっぷり与えます。
発芽したら本葉2~3枚の頃に間引いて1本にし、本葉4~5枚の頃に植え付けます。
植え付け
苗を植え付ける際は、ポリポットよりも少し大きめの植え穴を作り、根鉢を崩さずに株元が少し高くなるように植え付けます。株間は、40~45㎝程度にします。
植え付け後は、株元に土を寄せて手で軽く押さえて安定させ、たっぷりと水をあげます。
プランター栽培の場合
プランターは大型サイズで2株、10号鉢(直径30㎝)で1株が栽培目安となります。
種から育てることができますが、栽培する株が少ないときは、市販の苗を利用すると簡単です。
用土
スティックセニョールは連作を嫌うので、用土は新しいものを使うことをおすすめします。ホームセンターなどで野菜用培養土を購入すると、土づくりの手間が省けます。
排水性を良くするため、鉢底石をプランターの底に敷き詰めて、野菜用培養土を8分目くらい入れます。
種まき
種から栽培する場合は、ポリポットに種をまきます。
3号ポット(直径9㎝)に培養土を入れ、指先で深さ1㎝のくぼみを3~4箇所作り、1粒ずつ種をまきます。
周りの土を薄く被せて手で軽く押さえ、土と種を密着させて水をたっぷり与えます。
発芽したら本葉2~3枚の頃に生育の弱いものや形の悪いものを間引き、1ポット1本にして育苗します。
植え付け
苗は、本葉4~5枚で茎が太く、葉の色が濃いものを選びます。病害虫の有無もチェックします。
苗を植え付ける際は、ポリポットよりも少し大きめの植え穴を作り、根鉢を崩さずに株元が少し高くなるように植え付けます。
植え付け後は、株元に土を寄せて手で軽く押さえて安定させ、たっぷりと水をあげます。
害虫の被害を少なくするため、防虫ネットは植え付け直後に速やかに掛けるようにします。
プランターや鉢は、日当たりと風通しの良い場所で管理します。
3.スティックセニョールの栽培手入れ

収穫までの主な作業は、水やり、追肥、土寄せ、防虫ネットなどです。
水やり
畑栽培では、苗が根付いた後は自然の降雨で足りるので基本的に水やりの必要はありません。
つぼみができ始めたら、乾燥させないように株元に敷きわらなどを施すのもおすすめです。雨が降らないようであれば乾燥に注意し、水やりをします。
プランター栽培では、土の表面が乾いたらたっぷりと水やりをします。
頻繁に水をあげすぎると根が過湿状態になり、根腐れを起こすので水のやりすぎに気を付けます。
追肥
畑栽培の場合は、植え付けから約3週間後に化成肥料30g/㎡を葉の広がりに合わせてまき、土の表面をほぐしながら土と肥料を軽く混ぜて株元に土寄せをします。
2回目の追肥は、頂花蕾が見え始めた頃に1回目と同じように施して株元に土寄せをします。
プランター栽培は、植え付けから約3週間後に、1株当たり化成肥料10g程度をプランターの縁にまき、土と肥料を軽く混ぜ合わせます。
2回目の追肥は、頂花蕾が見え始めた頃に同量をプランターの縁にまき、土と肥料を軽く混ぜ合わせます。
スティックセニョールは、収穫期間中も追肥を行い、肥料切れにならないようにします。
防虫ネット
スティックセニョールは、アブラナ科の害虫であるアブラムシやアオムシなどの被害を受けやすくなります。
害虫の被害を少なくするため、防虫ネットや寒冷紗を掛けて虫の飛来と産卵を防ぐことが重要です。
防虫ネットは、植え付け直後に速やかに掛けるようにします。苗に害虫が付いていないことを確認することも大切です。
支柱立て
スティックセニョールは、風が強いと株の重みで倒伏することがあるので、支柱を立てることをおすすめします。
4.スティックセニョールの収穫時期

スティックセニョールの収穫時期は、春まき栽培は5月上旬~6月中旬、夏まき栽培は11月上旬~12月中旬です。
最初は側枝の成長を促すために、早めに中心の頂花蕾を切り取って収穫します。
頂花蕾の直径が2~3㎝の大きさになったら、先端から5㎝ほどの位置で切り取ります。切るときは病気の発生を予防するため、切り口を斜めにして水がたまらないようにします。
頂花蕾の収穫後は、定期的に追肥を施すようにします。その後は側花蕾が次々と伸びてくるので、15~20cmになったら茎ごと切り取って収穫します。
1株から15本くらい収穫できますが、小さな花蕾が多くなってきたら花蕾数を制限します。
5.スティックセニョールに発生しやすい病気

スティックセニョールに多い病気には、黒腐病や根こぶ病などが挙げられます。多湿によるものが主な原因で、水のあげすぎや水はけに注意します。
黒腐病(くろぐされびょう)
黒腐病は、土壌中の細菌によって起こる病気です。細菌は、雨や泥はねで跳ね上がり、葉の傷口部分などから侵入します。葉の先端部から中心に向かってV字形の黄色病斑を生じ、拡大すると葉が枯れてしまいます。
連作を避けて、敷きワラなどを施して泥はねを防止し、水はけをよくします。
根こぶ病
根こぶ病は、アブラナ科の作物だけに感染する病気です。病原菌が根から侵入して根に大小のコブができます。コブが導管を圧迫するため、地上部の茎葉が栄養を吸収できなくなり生育不良になります。
アブラナ科野菜の連作を避け、水はけの良い環境で栽培します。発病したら、根こぶが腐敗する前に抜き取って撤去処分します。
軟腐病(なんぷびょう)
軟腐病は、外葉の地際部分が水で浸みたような状態になり、やがて灰褐色になり腐敗します。軟腐病が発病すると腐った部分から強い悪臭を生じます。高温多湿の環境下で発生しやすくなります。
水はけをよくして、窒素肥料の与え過ぎに注意します。発病すると治療ができないので、発病した株は撤去処分します。
6.スティックセニョールに発生しやすい害虫
スティックセニョールは、アブラナ科の害虫被害にあいやすい野菜です。生育初期にアブラムシ、アオムシなどの害虫が寄ってきますので、日頃から葉の様子をチェックします。
アブラムシ
アブラムシは、多くの植物に寄生し、スティックセニョールの葉や新芽などの柔らかい部分に群生します。アブラムシが出す甘露でベタベタになり、カビが生えて「すす病」にもなります。アブラムシはウイルス病を媒介しますが、ウイルス病にかかると治療法はありません。
繁殖力が非常に旺盛なため、見つけたら早急に捕殺するか、殺虫剤を株全体に散布して駆除します。種まき時や苗の植え付け時に粒剤を処理すると効果的です。
アオムシ
アオムシは、モンシロチョウの幼虫です。幼虫は体が大きくなると食欲が旺盛になり、スティックセニョールの葉の葉脈を残して食べ尽くすこともあります。成虫は葉に卵を産みつけるので、防虫ネットを被せるなどして産卵を防ぎます。
モンシロチョウを見つけたら葉の裏を調べて、卵や幼虫を捕殺します。薬剤を使用する場合は、定期的に薬液散布を行います。窒素肥料が多いと産卵されやすくなるので、適切な施肥量を守るようにします。
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