1.ショウガの特徴と栽培時期
ショウガの育て方手順に沿って、畑やプランターでショウガを栽培してみましょう!
ショウガは比較的簡単に育てられるので、家庭菜園初心者にもオススメの野菜です。
■分類:ショウガ科ショウガ属
■原産地:熱帯アジア
■主な旬:7月~8月、10月~11月
■栽培時期:春植え
■植え付け:4月~5月
■収穫時期:葉ショウガ7月~8月、根ショウガ10月~11月
■連作障害:あり(4~5年あける)
■好適土壌pH:6.0~6.5
■発芽適温:25~30℃
■生育適温:25~30℃
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ショウガの特徴
ショウガは、熱帯アジアが原産で、25℃以上の高温と多湿を好み、乾燥と低温に弱い野菜です。
ショウガは、栽培・収穫方法によって「葉ショウガ」「根ショウガ」などと呼ばれています。
葉ショウガは、根茎が2~3㎝の若いショウガで7月下旬~8月中旬に葉を付けたまま収穫します。根ショウガは、植え付けから約6か月後の10月下旬~11月上旬肥大した根茎を収穫します。
また、根茎の大きさによって「大ショウガ」「中ショウガ」「小ショウガ」に分類され、それぞれに適した品種があります。小ショウガは辛みが強く、大ショウガは辛みが弱いという特徴があります。
ショウガは、生食や薬味のほか、生薬として漢方薬にも使われています。
ショウガの香り成分や辛み成分には、殺菌作用や血行促進の働きがあり、食欲増進や疲労回復などの効果があるとされています。
ショウガは、4月下旬~5月中旬に種ショウガを植え付けて栽培します。
病害虫の心配もほとんどないので、栽培初心者でも夏に葉ショウガ、秋に根ショウガを収穫することができます。
ショウガの栄養素
ショウガには、ビタミンB群やカリウム、マグネシウム、食物繊維などが含まれています。
殺菌力が強く抗酸化作用もあるので、食中毒や風邪の予防、老化防止などの効果もあるとされています。
ショウガの主な品種
ショウガは、根茎の大きさによって3つに分類されています。
大ショウガはスーパーでよく見かける根ショウガで、小ショウガや中ショウガは葉ショウガの収穫に向いています。
大ショウガ:『近江』『土佐』『お多福』など。
中ショウガ:『三州』『房州』など。
小ショウガ:『金時』『谷中』など。
ショウガの栽培ポイント
・連作を嫌うので、4~5年間栽培していない場所を選ぶ。
・種ショウガは地温が15℃以上になってから植え付ける。
・梅雨明けの時期は乾燥に注意し、十分に水を与える。
ショウガの栽培時期
中間地(関東地域)での栽培時期は、以下のとおりです。
種ショウガの植え付け:4月下旬~5月中旬、葉ショウガの収穫:7月下旬~8月中旬、根ショウガの収穫:10月下旬~11月上旬
ショウガの連作障害
ショウガは連作障害を起こすので、4~5年の期間を空けるか、他の場所を選んで栽培します。
連作すると土壌中の微生物に偏りが出て、ショウガの生育に悪影響を及ぼすので注意が必要です。
プランター栽培では、常に新しい用土を使うことをおすすめします。
ショウガの好適土壌pH
ショウガの好適土壌pHは、6.0~6.5です。
酸性土壌に弱いので、あらかじめ苦土石灰をまいて土壌酸度を調整します。
2.ショウガの栽培方法(畑・プランター)
ショウガは、種ショウガを植え付けて栽培します。
種ショウガは、ホームセンターや園芸店などで購入することができ、4月に販売されます。
大きな種ショウガは、芽を2~3個つけて50g程度の大きさに分割し、2~3日日光に当てて切り口を乾かしてから植え付けます。
畑栽培の場合
ショウガの栽培は、しっかりと土づくりを行うことが基本です。
土づくり
日当たりと水はけの良い場所を選び、植え付けの2週間前までに苦土石灰100g/㎡を全面にまいてよく耕します。
植え付けの1週間前に完熟堆肥2㎏/㎡、化成肥料100g/㎡を施してよく耕し、幅60~70㎝、高さ10㎝の畝を作ります。
植え付け
植え付け当日に、畝の中央にクワなどを使って深さ10㎝ほどの溝を掘り、種ショウガを30㎝間隔で置いていきます。植え付けが終わったら、掘り起こした土を種ショウガに被せながら溝に土を埋め戻し、平らにならしておきます。
プランター栽培の場合
プランターは大型(深型)サイズで2~3株、10号鉢(直径30㎝)で1株を栽培目安にします。
用土
ショウガは連作を嫌うので、用土は新しいものを使うことをおすすめします。ホームセンターなどで野菜用培養土を購入すると、土づくりの手間が省けます。
排水性を良くするため、鉢底石をプランターの底に敷き詰めて、野菜用培養土を6~7分目くらい入れます。
植え付け
種ショウガを植え付ける際は、芽を上に向けて植え付けます。種ショウガの間隔は10~20㎝ほどにします。
植え付けが終わったら、土を5㎝ほど被せてたっぷりと水やりをします。
プランターや鉢は、発芽するまでは半日陰などで土が乾かないように管理します。
3.ショウガの栽培手入れ
収穫までの主な作業は、水やり、追肥、土寄せなどです。
水やり
畑栽培は、梅雨明け後の乾燥に特に注意し、雨が降らないようであれば水やりをし、乾燥防止のために株元に敷きわらなどを施します。
プランター栽培は、土が乾燥しやすいので夏場の水切れに注意し、土の表面が乾いたら容器の底から水が流れ出るまでたっぷりと水やりをします。
頻繁に水をあげすぎると根が過湿状態になり、根腐れを起こすので水のやりすぎにも気を付けます。
追肥
畑栽培、プランター栽培とも、草丈15㎝の頃に1回目の追肥を行い、草丈30㎝の頃に2回目の追肥を行います。
また、ショウガの生長に合わせて株元に土寄せや増し土を行い、ショウガが地表に露出しないように管理します。
畑栽培は、化成肥料30g/㎡を株の周囲にまき、土の表面をほぐして土と肥料を軽く混ぜて株元に土寄せをします。
プランター栽培は、1株当たり化成肥料5g程度を株の周囲にまき、土の表面をほぐして土と肥料を軽く混ぜて株元に土寄せをします。
4.ショウガの収穫時期
ショウガの収穫時期は、春まき栽培は5月上旬~6月中旬、夏まき栽培は11月上旬~12月中旬です。
株の頂点に出来ている頂花蕾の直径が10~15㎝に成長したら収穫適期です。
やわらかい茎も食べることができるので、頂花蕾の下の茎の部分を包丁などで長めに切り取って収穫します。
収穫が遅れてしまうとつぼみが膨らんで食味が低下しますので、早めに収穫します。
側花蕾が収穫できる品種は、頂花蕾を収穫した後に追肥を施しておきます。
側花蕾は大きくならないので、直径が3~5㎝になったらつけ根からハサミで切り取って収穫します。
また、最初に植え付けた種ショウガも薬味として利用することができます。
5.ショウガに発生しやすい病気
ショウガは病気が少ない野菜ですが、根茎腐敗病は重大な被害を及ぼすので注意が必要です。
根茎腐敗病(こんけいふはいびょう)
根茎腐敗病は、ショウガの根茎や地際部が腐敗していく病気で、原因は土壌に発生するカビです。病気が進行すると葉が黄化し、根茎は軟化腐敗します。
多雨の年に発生しやすいので畑の排水を良くします。連作を避け、病気のない種ショウガを使うことも重要です。
発病した株は、周りの数株とともに早急に抜き取り撤去処分します。
6.ショウガに発生しやすい害虫
ショウガは、アワノメイガやハスモンヨトウに注意します。
アワノメイガ
アワノメイガは蛾の仲間で、幼虫はショウガの葉や茎の内部を食害します。茎の中に入った幼虫の駆除は難しいので、発見したら早めにその部分ごと切り取って処分します。葉の裏などに卵を発見した際には、ふ化する前に駆除します。対策としては、発生初期の薬剤処理が効果的です。
ハスモンヨトウ
ハスモンヨトウは蛾の仲間で、ふ化した幼虫が夜間に活動してショウガの葉を食害します。幼虫時期には集団で生活し、成長すると単独行動します。
昼間は根元近くの土の中に潜んでいるため軽く掘ると見つかるので、潰して処分します。
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