ダイコン(大根/だいこん)の育て方・栽培方法

ダイコンの育て方・栽培方法

1.大根の特徴と栽培時期


大根の育て方手順に沿って、畑やプランターで大根を栽培してみましょう!
大根は、根や葉の部分に栄養たっぷりの野菜で、家庭菜園でも人気の高い野菜です。

大根(だいこん/ダイコン)の栽培データ
■大根の栽培難易度:★★★☆☆
■分類:アブラナ科ダイコン属
■原産地:地中海沿岸
■主な旬:6月~7月、10月~12月
■栽培時期:春まき、秋まき
春の種まき:4月~5月、収穫:6月~7月
秋の種まき:8月~9月、収穫:10月~12月
■連作障害:あり(1~2年あける)
■好適土壌pH:6.0~6.5
■発芽適温:15~25℃
■生育適温:15~20℃

大根の種が買えるお店

大根の種を買いたい場合は、販売店をのぞいてみましょう!
病気に強い大根や、肉質緻密の大根、す入りが遅い大根など、色々な品種の大根が購入できます。

大根の特徴

大根は、地中海沿岸が原産地で、古い時代に中国から渡来したとされています。
大根は、日本で最も多く生産・消費されている野菜で、たくさんの品種や地方特産の在来種があります。

形や色、味なども様々で、二十日大根のように小さなものから、桜島大根のような大型のものまであります。
スーパーでよく見かけるのは青首ダイコンで、根の上部が日に当たって緑色になっています。

大根は、サラダ、大根おろし、炒め物、煮物、漬物などに幅広く利用されています。
大根は、葉の部分は緑黄色野菜で、根には胃腸の働きを整えるアミラーゼが多く、皮の部分にもビタミンCが多く含まれています。

大根は、春まきと秋まきが一般的で、種をまいて60日~70日で収穫ができます。
家庭菜園では、害虫の被害が少ない秋まき栽培がおすすめです。

大根の栄養素

大根には、β-カロテン、ビタミンC、ビタミンE、カリウム、カルシウムなどが多く含まれています。
β-カロテンは、活性酸素を抑えてガンや生活習慣病を予防するほか、目や粘膜の健康を維持します。
ビタミンCは風邪の予防、ビタミンEは動脈硬化や心筋梗塞の予防、カリウムは高血圧の予防、カルシウムは骨粗鬆の予防効果があるとされています。
根の部分には、消化を助けるアミラーゼ(旧名ジアスターゼ)が含まれ、胃もたれや胸やけを予防・改善します。

大根畑

大根の主な品種

家庭菜園では、青首大根やミニ大根がおすすめです。YRの文字が入っている品種は、萎黄病に強い品種です。
『耐病総太り』『冬自慢』『YR早生くらま』『YR早生おでん大根』『三太郎大根』『ミニダイコンころっ娘』『ミニダイコン紅くるり』など。

大根の栽培ポイント

・日当たりと水はけが良い場所を選び、種まき前に深くよく耕す。
・種まき直後に防虫ネットを掛けて、害虫の産卵を予防する。
・連作を避け、同じ場所で栽培する場合は1~2年の期間を空ける。

大根の栽培時期

春まき栽培は4月~5月、秋まき栽培は8月~9月に種まきをします。種まきから60日~70日で収穫ができます。
生育適温は15〜20℃で、冷涼な気候を好むため、夏の栽培は不向きです。

大根の連作障害

大根は連作障害が起こる野菜です。
毎年、同じ場所に同じ科の野菜を栽培することを「連作」と言いますが、連作すると生育障害や病害虫が発生しやすくなります。
アブラナ科野菜の跡地で栽培する場合は、最低でも1~2年の期間を空けるようにします。
プランター栽培では、常に新しい土を使うことをおすすめします。

大根の好適土壌pH

大根の好適土壌pHは6.0~6.5です。
酸性土壌に弱いので、あらかじめ苦土石灰をまいて土壌酸度を調整します。

2.大根の栽培方法(畑・プランター)

肥料

一般の野菜はタネと苗から育てることができますが、大根は移植を嫌うので、タネをまいて育てます。

畑栽培の場合

土づくり

畑で栽培するときは、日当たりと水はけの良い場所を選びます。
種まきの2週間以上前までに、苦土石灰100~150g/㎡、完熟堆肥2kg/㎡を全面にまいて、深さ30㎝程度までよく耕します。
1週間前に、化成肥料100g/㎡をまいて深くよく耕します。
畝立ては、幅60㎝、高さ10~15㎝にして、土の塊や小石などを取り除いて表面を平らにします。

種まき

大根のタネは、株間を25~30㎝程度あけて点まきにします。
空き缶などを土に押し付けて、直径5㎝、深さ1㎝ほどのまき穴を作り、タネが重ならないようにして、1穴に4~5粒のタネをまきます。
土を1㎝ほど被せてから、表面を軽く手で押さえて土と密着させます。

タネが水で流れないように注意し、たっぷりと水やりをします。
発芽するまでは、土が乾燥しないように水やりをします。
通常は、3~5日程度で発芽します。

間引き・追肥

タネをまいて、7~10日ほど経ったら間引きをします。
1回目の間引きは、双葉が完全に開いたら、子葉がハート形の良いものを残して、1穴あたり3本にします。
2回目は、本葉3~4枚の頃に1穴あたり2本にします。
3回目は、本葉6~7枚の頃に1穴あたり1本にします。
間引き後に、周囲の土を株元に寄せて株を安定させます。

追肥は、2回に分けて施します。
2回目および3回目の間引き後に、化成肥料30g/㎡を株間に施し、表面の土と肥料を軽く混ぜて株元に土寄せをします。

プランター栽培の場合

基本的な育て方は、畑の場合とほとんど同じです。
プランター栽培では、ミニサイズの品種がおすすめです。
プランターや鉢は、深さ30㎝以上のものを用意します。
用土は市販の野菜用培養土を利用すると便利です。鉢底石を敷き詰めて、土は8分目くらい入れます。

種まき

株間を20㎝程度あけて、点まきにします。
空き缶などを土に押し付けて、直径5㎝、深さ1㎝ほどのまき穴を作り、タネが重ならないようにして、1穴に4~5粒のタネをまきます。
土を1㎝ほど被せてから、表面を軽く手で押さえて土と密着させます。
タネが水で流れないように注意し、たっぷりと水やりをします。

発芽するまでは、土の表面が乾燥しないように水やりをします。
発芽後は、土の表面が乾いたら、プランターの底から水が流れ出るくらいたっぷりと水やりをします。
プランターは、日当たりと風通しの良い場所で管理します。

間引き・追肥

タネをまいて、7~10日ほど経ったら間引きをします。
1回目の間引きは、双葉が完全に開いたら、葉の形や色の悪い苗などを間引いて、1穴あたり3本にします。
2回目は、本葉3~4枚の頃に1穴あたり2本にします。
3回目は、本葉6~7枚の頃に1穴あたり1本にします。
間引き後に、周囲の土を株元に寄せて株を安定させます。

追肥は、2回目および3回目の間引き後に、1株当たり化成肥料3~5gを株の周囲に施し、表面の土と肥料を軽く混ぜて株元に土寄せをします。

3.大根の栽培手入れ

水やり

大根の水やり

畑の場合は、発芽するまでは土が乾燥しないように水やりをします。
その後は自然の降雨で足りるので、基本的に水やりの必要はありません。土がひどく乾いているときは、午前中に水やりをします。

プランターの場合は、発芽するまでは土の表面が乾燥しないように水やりをします。
その後は、土の表面が乾いたら、プランターの底から水が流れ出るくらいたっぷりと水やりをします。
水やりの基本は1日1回ですが、大根は湿っている土が苦手ですので、1~2日に1回、早朝にたっぷりと与えます。
秋以降は、気温が上がり始める時間帯に水やりをします。

防虫ネット

大根には、アブラナ科野菜の害虫が発生します。
アブラムシなどの被害を防ぐため、防虫ネットや寒冷紗などを掛けておくと安心できます。
害虫は、防虫ネットの隙間からも侵入するので、こまめに葉の裏を観察して被害が大きくならないようにします。

4.大根の収穫時期

大根の収穫

収穫適期

大根の収穫適期は、品種によって異なりますが、種をまいてから60日~70日が収穫の目安となります。

青首ダイコンの場合は、首の部分が地上に出てきて、葉が外側に垂れ下がってきた頃が収穫時期です。根の太さが5~6㎝になったら収穫ができます。
収穫する場合は、葉を束ねて片手で持ち、根の上部を手で持ってまっすぐ上に引き抜きます。

収穫が遅れるとスが入り、食味が落ちるので、大きなものから早めに収穫するようにします。
葉をつけたままにしていると、葉に水分が吸収されて根がしなびてくるので、葉をすぐに切り取るようにします。

生育障害

ス入り

大根の中がスカスカになってスポンジ状になり、内部に空洞ができることを「ス」が入るといいます。
主な原因は大根の老化現象ですので、収穫が遅れないように早めに収穫するようにします。
急激な肥大や水分不足も原因ですので、春まき栽培では高温時の水分不足に注意します。

股根(またね)

大根の根が分岐することを「股根」と呼びます。股根は、形が少し悪いだけで病気ではありません。
根が真っすぐ伸びる方向に石や土の塊、堆肥の塊などがあると、根が当たって股根になってしまいます。
股根の原因は障害物ですので、土づくりの段階で深さ30㎝程度まで深くよく耕して、障害物を取り除くようにします。

5.大根に発生しやすい病気

大根に発生しやすい病気

大根の栽培では、水はけを良くして、多湿環境にならないように注意します。

軟腐病(なんぷびょう)

軟腐病は細菌による病気で、葉などの傷口から細菌が侵入し、根の部分が軟化・腐敗して悪臭を放ちます。
高温多湿の環境で発生しやすいので、畑の排水を良くし、連作に注意します。
発病した株は、抜き取って畑の外に撤去処分します。

モザイク病

モザイク病は、葉に濃淡のある緑や黄色などの病斑が現れ、モザイク状になって広がっていきます。病原菌を持ったアブラムシが、健康な野菜にウイルスを媒介します。
モザイク病は薬剤治療ができないため、タネをまいたら不織布や防虫ネットなどを掛けて、アブラムシの飛来を予防します。
病気の拡大を防ぐため、発病した株は早めに撤去処分します。

萎黄病(いおうびょう)

萎黄病は細菌による病気で、土壌中の病原菌が根の傷口などから侵入して道管部で繁殖します。葉が萎れて次々と黄色くなり、やがて株が枯れてしまう病気です。
多湿環境で発生しやすいので排水を良くして、連作をしないようにします。
発病した株は、早期に撤去処分します。

6.大根に発生しやすい害虫

大根の栽培では、アブラナ科の害虫に注意します。

アブラムシ

アブラムシは、体長1~4㎜ほどの害虫で、集団で寄生して新芽や葉などを吸収します。
ウイルス病に感染した植物から病原菌を取り込み、健康な植物にウイルスを媒介するやっかいな害虫です。
種まき直後に目の細かい防虫ネットで覆うか、キラキラテープを張ってアブラムシの飛来を予防します。

アオムシ

アオムシはモンシロチョウの幼虫で、アブラナ科の野菜を好んで食害します。
幼虫は食欲が旺盛なため、葉の部分の被害が大きくなります。窒素分が豊富な株に産卵されやすいので、肥料過多にも注意します。
防虫ネットなどで産卵を防ぎ、葉の裏をこまめに観察して卵や幼虫を捕殺します。

キスジノミハムシ

キスジノミハムシは、体長2~3㎜の小さな虫で、手を近づけると跳ねて逃げます。成虫が葉を食害し、幼虫は根を食害します。
アブラナ科の連作を避け、種まき直後に防虫ネットで覆って成虫の飛来と産卵を予防します。

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