スナップエンドウの育て方・栽培方法

スナップエンドウ

1.スナップエンドウ栽培の特徴と時期


スナップエンドウの育て方手順に沿って、畑やプランターでスナップエンドウを栽培してみましょう!
スナップエンドウは、苗から育てることもできるので、初心者にもオススメの野菜です。

スナップエンドウの栽培データ
■スナップエンドウの栽培難易度:★★★☆☆(普通)
■分類:マメ科エンドウ属
■原産地:中央アジア~中近東
■主な旬:4月~6月
■栽培時期:秋まき・秋植え
 種まき:10月~11月、植え付け:11月~12月、収穫:4月~6月
■連作障害:あり(4~5年あける)
■好適土壌pH:6.5~7.0
■発芽適温:15~20℃
■生育適温:15~20℃

スナップエンドウの苗や種が買えるお店

スナップエンドウの苗や種を買いたい場合は、販売店をのぞいてみましょう!
こちらから購入すると、届けてくれるので便利です。

スナップエンドウの特徴

エンドウの種類は、食べる部位によってスナップエンドウ、サヤエンドウ、実エンドウ、グリーンピースなどに分類されます。
スナップエンドウは、サヤと一緒に中の豆を食べられるように育成された品種であり、1970年代にアメリカから導入されました。
スナップエンドウに似た名前の「スナックエンドウ」は、サカタのタネが販売している商品名です。

スナップエンドウは、中の豆が大きくなっても柔らかく、甘みがあります。塩ゆでやマヨネーズをつけて食べるほか、天ぷらやサラダなどの料理に利用することができます。また、油との相性も良く、炒め物にも適しています。
スナップエンドウは栄養価が高く、ビタミンや食物繊維を豊富に含んでいるため、健康野菜としても注目されています。

スナップエンドウは、冬の間にしっかりと根を張って、春先になると急激に伸びて花をつけるようになります。
一般的には、秋に種をまいて幼苗で冬を越すようにして春に収穫します。
スナップエンドウは、苗からも栽培ができるので、家庭菜園初心者の方にもおすすめの野菜です。

スナップエンドウの栄養素

スナップエンドウは、β-カロテンやビタミンC、食物繊維などを豊富に含んでいます。
ビタミンCにはすぐれた抗酸化作用があるので、免疫力の向上や風邪の予防、美肌効果などが期待できます。また、サヤごと食べることによって食物繊維もとることができ、生活習慣病の予防や便秘解消にもなります。糖質の代謝に欠かせないビタミンB1も多く含まれています。

スナップエンドウの主な品種

スナップエンドウの品種は、「つるあり種」と「つるなし種」の2種類あります。
品種によって栽培方法や味が変わることはありませんが、「つるあり種」の方が多く収穫ができます。
グルメ(タキイ種苗)、ジャッキー(タキイ種苗)、ピッカピカスナップ(カネコ種苗)、スナック753(サカタのタネ)、スナック2号(サカタのタネ)、ホルンスナック(サカタのタネ)、ニムラサラダスナップ(みかど協和)など。

スナップエンドウの栽培ポイント

・日当たりと排水性が良く、強風の当たらない場所で栽培する。
・連作障害に弱いため、マメ科野菜を4~5年間栽培していない場所を選ぶ。
・土が酸性土壌の場合は、2週間以上前に苦土石灰をまいてよく耕す。
・秋まき栽培は、種まきや植え付け適期を守り、小苗で越冬させる。

スナップエンドウの栽培時期

スナップエンドウは、種まきが早すぎると苗が育ち過ぎて耐寒性が失われ、寒さにやられてしまいます。苗が小さすぎても春に大きく育たないので、種まきの適期を守ることが重要です。

中間地(関東地域)
種まき:10月中旬~11月上旬、植え付け:11月中旬~12月上旬、収穫:4月下旬~6月上旬

スナップエンドウの連作障害

スナップエンドウは、連作障害を起こすため、同じ場所で栽培する場合は4~5年の期間を空けるか、他の場所を選んで栽培します。
連作すると、土壌中の微生物に偏りが出てスナップエンドウの生育に悪影響を及ぼし、病害虫も発生しやすくなります。
プランター栽培では、常に新しい用土を使うことをおすすめします。

スナップエンドウの好適土壌pH

スナップエンドウの好適土壌pHは、6.5~7.0です。
酸性土壌に弱いので、あらかじめ苦土石灰をまいて土壌酸度を調整します。

2.スナップエンドウの栽培方法(畑・プランター)

肥料

スナップエンドウの栽培は、種をまいて育てる方法と苗を購入して植え付ける方法があります。栽培初心者の場合は、園芸店やホームセンターなどで苗を購入して植え付けると育苗の手間が省けます。
市販の苗は、病害虫の被害がなく、本葉3~4枚程度で茎が太く、節間がほどよく詰まっていて葉の緑色が濃いものを選びます。

畑栽培の場合

土づくり

日当たりと水はけの良い場所を選び、種まきや植え付けの2週間前までに苦土石灰150~200g/㎡を全面にまいてよく耕します。
1週間前に完熟堆肥2㎏/㎡、化成肥料50g/㎡を施してよく耕し、幅60㎝、高さ10~15㎝の畝を作ります。
マメ科の植物は、根粒菌が働いて窒素を供給するので窒素成分は少なめにします。窒素が多すぎると、つるや葉が繁茂して実つきが悪くなりますので、肥料の与え過ぎに注意します。

種まき

スナップエンドウの種まきは、10月中旬~11月上旬に行います。
種まきは、直接畑にまく方法(直まき)と、育苗ポットに種をまく方法(ポットまき)があります。
直まきの場合は、点まきにします。ビンの底などを使って、畝に直径10㎝、深さ3㎝ほどの穴を作り、1か所に3~4粒ずつ等間隔に種をまきます。周りの土を2㎝ほど被せて手で軽く押さえ、土と種を密着させて水をたっぷり与えます。
発芽するまでは、鳥害に遭わないように不織布などを掛けておくことをおすすめします。発芽したら本葉2~3枚の頃に間引きを行い、1か所1~2本にします。

育苗ポットに種をまく場合は、3号ポット(直径9㎝)に培養土を入れ、指先で深さ2㎝ほどの窪みを3~4か所つくり、種を1粒ずつまきます。周りの土を2㎝ほど被せて手で軽く押さえ、土と種を密着させてたっぷりと水やりをします。発芽したら本葉1~2枚の頃に間引きを行い1ポット1~2本にし、本葉3~4枚の頃に植え付けます。

植え付け

スナップエンドウの植え付け時期は、11月中旬~12月上旬が目安です。
苗を植え付けるときは、ポリポットよりも少し大きめの植え穴を掘り、根鉢を崩さずに深植えにならないように植え付けます。植え付け後は、株元に土を寄せて手で軽く押さえて土と根鉢を密着させ、たっぷりと水をあげます。
株間は、つるあり種は30㎝、つるなし種は20㎝程度にします。

プランター栽培の場合

プランターは標準サイズで2株、10号鉢(直径30㎝)で1株が栽培目安となります。
種から育てることができますが、市販の苗を購入して植え付けると育苗の手間が省けます。

用土

スナップエンドウは連作を嫌うので、用土は新しいものを使うことをおすすめします。ホームセンターなどで野菜用培養土を購入すると、土づくりの手間が省けます。用土は、プランターの上部から3㎝下のところまで入れます。

種まき

種まきは、畑の場合と同様に点まきにし、株間15~20㎝にします。深さ2~3㎝で、1か所に3~4粒ずつ等間隔にまきます。土を2㎝ほど被せて手で軽く押さえ、土と種を密着させます。
種まき後は、プランターの底から水が流れ出るくらいたっぷりと水やりをします。また、鳥の被害に遭わないように、不織布などで覆っておくと安心です。
発芽したら本葉2~3枚の頃に間引きを行い、1か所1~2本にします。間引き後は、苗が倒れないように、株元に土寄せをします。

植え付け

市販の苗を植え付けるときは、ポリポットよりも少し大きめの植え穴を掘り、根鉢を崩さずに深植えにならないように植え付けます。植え付け後は、株元に土を寄せて手で軽く押さえて土と根鉢を密着させ、たっぷりと水をあげます。
苗が根付くまで1週間ほどかかるので、この間に水切れにならないように注意します。
プランターや鉢は、日当たりと風通しの良い場所で管理します。

3.スナップエンドウの栽培手入れ

水やり

水やり

畑栽培では、自然の降雨で足りるので基本的に水やりの必要はありません。
プランター栽培では、土の表面が乾いたらたっぷりと水やりをします。
頻繁に水をあげすぎると根が過湿状態になり、根腐れを起こすので水のやりすぎに気を付けます。
サヤが出来てきたら、水を少し多めに与えるようにします。

追肥

スナップエンドウは、支柱立てを行う3月中旬頃と花が咲き始め頃に追肥を施します。
畑栽培は、化成肥料30g/㎡を株の周りにまき、土の表面を軽くほぐしながら土と肥料を混ぜ合わせて株元に土を寄せます。
プランター栽培は、化成肥料10g程度を株の周りにまき、軽く土に混ぜ込みます。
追肥を施す場合は、窒素の量に注意します。窒素が多すぎるとつるボケになり、葉に栄養を取られて収穫量が減少します。

防寒対策

12月以降は、寒さが一段と厳しくなります。スナップエンドウは寒さに強い野菜ですが、冬越しさせるために防寒対策を施します。
畝全体に不織布などをかけるか、株元に敷きわらやもみ殻を施します。風が吹く北側にササ竹を立てる方法も有効です。

支柱立て

3月になるとつるが伸びてきますので、支柱立てを行います。放任すると雨風で茎葉が折れたり、つるが四方八方に伸びてしまい、病害虫も発生しやすくなります。
つるあり種は2mほどの高さに成長するので必ず支柱を立てるようにします。
ちなみに、ネットを張るとつるがたくさん絡むので収穫後の片付けが面倒というデメリットがあります。ネット代わりに麻ひもを支柱にくくりつけ、畝の周りを囲うという方法もできます。

4.スナップエンドウの収穫時期について

スナップエンドウ

収穫適期

スナップエンドウの収穫時期は、4月下旬~6月上旬です。品種にもよりますが、開花してから25日前後で収穫できます。
サヤの中の豆が肥大し、サヤの長さが7.5㎝、幅1.5㎝くらいが収穫の目安です。サヤの長さは日々変わってきますので、実の厚みで判断します。

収穫が早過ぎると中の豆は未熟で、収穫適期を過ぎると甘みがなくなってしまいます。
スナップエンドウの収穫方法は、ハサミを使って実のつけ根の部分を切り取ります。

生育障害

スナップエンドウは、連作すると生育不良を引き起こします。
生育が悪くなるだけにとどまらず、株全体が枯れることもあります。マメ科の野菜を栽培した場所では、4~5年の期間を空けるようにします。

5.スナップエンドウに発生しやすい病気

スナップエンドウ

スナップエンドウは、うどんこ病などに注意します。

うどんこ病

うどんこ病は、スナップエンドウの葉や茎にうどん粉を振りかけたような白い斑点が現れます。白い粉の正体はカビで、被害が進むと株全体に広がり、最終的に枯れてしまいます。窒素過多になると株が軟弱に育つため、窒素肥料を少なめにし、日当たりと風通しをよくします。
発病した場合は、白い斑点が出た葉を切り取って撤去処分します。白い粉が他の葉に飛んで病気が広がることもありますので、注意します。
自然派薬剤には、『ベニカマイルドスプレー』などがあります。

立枯病(たちがれびょう)

立枯病は、土の中に生息するカビによる病気で、スナップエンドウの根が侵されて生育が悪くなり、葉が黄色くなって株が枯れてしまいます。
立枯病の原因は、連作や水はけが悪いことが主な原因です。同じ場所で栽培する場合は、4~5年の期間をあけて栽培します。発病した場合は、株ごと抜き取って撤去処分します。

褐斑病(かっぱんびょう)

褐斑病は、カビによる病気で、スナップエンドウの葉や茎、サヤなどに発生します。葉の表面に褐色の斑点ができ、徐々に大きくなっていきます。
連作を避け、水はけが悪い場所での栽培を避けます。症状が現れた葉や株を撤去処分します。

モザイク病

モザイク病は、スナップエンドウの葉に緑と黄色の濃淡のある斑紋が現れ、モザイク状に広がっていきます。ウイルスが原因で、主にアブラムシがウイルスを媒介します。モザイク病は薬剤による治療ができないので、アブラムシの飛来を予防し、発病した葉や株は早めに撤去します。
アブラムシの発生初期の薬剤として、自然派薬剤には『ベニカマイルドスプレー』『アーリーセーフ』などがあります。

6.スナップエンドウに発生しやすい害虫

スナップエンドウは、アブラムシなどに注意します。

アブラムシ

アブラムシは体長1~4㎜ほどの害虫で、スナップエンドウの新芽や葉裏などに寄生し、汁液を吸って加害します。土壌中の窒素成分が多いと発生しやすいので、窒素肥料のやりすぎに注意します。アブラムシは光るものを嫌うので、シルバーマルチを敷くと成虫の飛来を軽減できます。
アブラムシは繁殖力が強いため、早めに発見して捕殺するか、発生初期に薬剤で駆除します。自然派薬剤には、『ベニカマイルドスプレー』『アーリーセーフ』などがあります。

ナモグリバエ

ナモグリバエはハエの仲間で、別名「エカキムシ」とも呼ばれ、成虫が飛来してスナップエンドウの葉に産卵し、孵化した幼虫が葉肉を食害します。
肥料過多や弱った株に寄生することが多く、白い線の先端や葉の内側に幼虫がいます。見つけたら捕殺するか、発生初期に『家庭園芸用マラソン乳剤』などの殺虫剤で駆除します。被害が少ない時は、葉を切り取って撤去処分します。

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