ジャガイモの芽出し方法

ジャガイモの芽出し方法

1.ジャガイモの芽出し

芽出ししたジャガイモ

ジャガイモは世界中で人気のある栽培作物で、多くの家庭菜園家や農業者によって栽培されています。ジャガイモを栽培する際には、「芽出し」と呼ばれる作業が行われます。この記事では、ジャガイモの芽出し方法と注意点について詳しく説明します。

ジャガイモの種イモは、芽出しをしてから植え付けます。芽出しは必ずしも必要ではありませんが、種イモは若芽が出るまでに約1ヶ月ほどかかるため、芽出しをしてから植え付けすることをおすすめします。
芽出しをすると発芽がそろって、生育もよくなります。

種イモの植え付け時期は、春植え栽培が2月~3月、秋植え栽培が8月~9月ですので、この時期に植え付けできるように準備します。

2.ジャガイモの芽出し準備

芽出しをする種イモ

ジャガイモの芽出し方法ですが、まず芽出しをする種イモを用意します。
収穫した種イモは、使えないわけではありませんが、種イモで感染するウイルス病などがあるため、新しいタネイモを購入したほうが無難です。
ウイルス病などにかかっていた場合、収穫量が減ってしまう可能性があるので、検査に合格した専用の種イモを購入しましょう。
検査に合格済みであれば、ウイルス病に侵されていないことが確認済みなので、安心して使用できます。

検査合格済の種イモはインターネットからも購入可能です。
男爵、メークイン、インカのめざめ、キタアカリ、ニシユタカなど、人気の種イモが販売されています。

3.ジャガイモの若芽を伸ばす

芽出ししたジャガイモ

しわが多いイモや傷ついたイモは芽出し時に失敗しやすく、健康的な成長を阻害する可能性がありますので、皮が滑らかでしわが少なく、傷がない、健康な種イモはを選びます。
ジャガイモの芽出しは健全な収穫の基盤となるため、品質の高い種イモの選定が重要です。

ジャガイモの発芽適温は15~20℃なので、気温も確認しておきます。

ジャガイモの芽出し作業は簡単で、植え付けの2~3週間前から、毎日朝から夕方まで日の当たる場所に種イモを置いて日光に当て、夕方以降は室内に取り込みます。
これを2週間くらい行うと、種イモから若芽が出てきます。

芽出しができたら、植える種イモの準備をします。
芽が1~2cm程度伸びた段階が植え付けに適しています。

4.種イモの準備

芽出しジャガイモの植え付け準備

種イモ1個の大きさの目安は30~40gです。30~40gの種イモはそのまま丸ごと植え付けます。
小さすぎるイモは収穫量が期待できないので避けましょう。

60~80g以上の大きい種イモは、必ず1片に2芽以上つけるようにして、芽ができるだけ均等になるように切り分けます。
1片に芽が2~3個つくように縦に切り分け、さらに大きいイモは4等分に切り分け、2日ほど風通しのよい日陰で乾かします。
切り口が完全に乾燥していれば植え付けに使っても大丈夫ですが、湿度が高い場合は少し長めに陰干ししたほうが安心です。

時間がないときや、切った種イモをすぐに植え付ける場合は、種イモが腐らないように、切り口に草木灰か専用処理剤をまぶしてから植え付けます。
秋植え栽培の場合は、切った種イモは腐りやすいので、小さめの種イモを丸ごと植え付けるようにします。

プランター栽培の場合は、芽の数が少なくてよいので、芽の多い頂部は切り落として芽の数を調整してから切り分けて使います。

5.種イモの植え付け

芽出ししたジャガイモの植え付け

30~40gの切っていない種イモはそのまま植えることができます。

切ったイモを畑で栽培する場合は、種イモを切り口を下にして溝の底に30㎝間隔で置いていきます。
切り口を上に向けると、水を受けて腐りやすくなってしまうので注意しましょう。

植え付けが終わったら、掘り上げた土を溝に埋め戻して平らにならしておきます。
種イモは水を多く与えすぎると腐敗するので、植え付け後の水やりは必要ありません。

プランター栽培をする場合は、プランターは65㎝標準タイプ(深さ30㎝以上)で2株、10号鉢(直径30㎝)で1株が目安となります。
植え付けの際は、種イモの切り口を下にして置き、土を5㎝ほど被せて手で軽く押さえて植え付けます。
その後、容器の底から水が流れ出るくらいたっぷりと水やりをします。

6.ジャガイモの芽が出ない場合

発芽したジャガイモの芽

ジャガイモの芽が出ないと困っていたり、心配されている方も多いのですが、ジャガイモは発芽までに1か月ほどかかります。
発芽の期間が長いために、発芽しないと焦ってしまっている場合もあります。1か月が経っていない場合は少し待ってみましょう。

気温が原因で芽出しできない

ジャガイモの芽が出ない原因として、気温も挙げられます。
ジャガイモは、発芽適温:15~20℃、生育適温:15~24℃が必要です。
発芽できる温度か確認しましょう。

連作障害が原因で芽出しできない

また、ほかの原因として連作障害の可能性もあります。
ジャガイモには、連作障害が起こります。
毎年、同じ場所に同じ科の野菜を栽培することを「連作」と言いますが、連作すると土壌中の微生物に偏りが出て生育に悪影響を及ぼし、病害虫も発生しやすくなります。
ジャガイモは連作障害を起こすため、同じナス科(トマト、ナス、ピーマン、シシトウなど)の野菜を栽培した土壌では2~3年の期間を空けるか、他の場所を選んで栽培します。

プランター栽培では、常に新しい土を使うことをおすすめします。

腐ってしまって芽出しできない

腐ってしまって芽出しできない場合もあります。畑栽培は、晴れた日に種イモを植え付けますが、水を多く与えると種イモが腐ってしまうので水やりは不要です。
植え付け後は自然の降雨で足りますが、雨が降らない日が続き、土が乾燥していれば水やりをします。

プランター栽培は、植え付け時に容器の底から水が流れ出るくらいたっぷりと水やりをします。その後は、土が乾いてからたっぷりと水やりをします。
ジャガイモは水やりの管理が重要ですので、適切な管理を心掛けましょう。

7.まとめ

ジャガイモの芽出しは栽培成功のために重要な作業です。

種イモは芽出しをしてから植え付けることで、発芽が均等に行われ、健康的な成長を促進します。ウイルス病の心配がない検査合格済みの種イモを用意し、適切な温度で芽を伸ばしましょう。

また、ジャガイモの芽が出ない場合は、気温や連作障害、腐敗などを原因として考えられます。適切な管理と環境を整えることで、より良い収穫を期待できます。
ジャガイモの栽培を楽しむためにも、しっかりとした芽出し作業と栽培管理が大切です。

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