1.秋ナスの苗の植え付け時期
秋ナスの育て方手順に沿って、畑やプランターで秋ナスを栽培してみましょう!
春から植えたナスを秋まで収穫する場合は、更新剪定を行うことで株が若返り、秋まで収穫することができるようになりますが、ここでは夏から苗を植えて秋に採れる秋ナスの育て方を説明していきます。
秋ナスの苗は、夏から秋にかけて『秋なすび』などが販売されており、8月~9月に植え付けが可能なので、秋ナスを栽培してみたい方はチャレンジしてみてください。
寒冷地以外では植付けは9月下旬まで可能で、晩秋に収穫できるナスです。
■分類:ナス科ナス属
■原産地:インド
■秋ナスの旬:9~11月
■栽培時期:夏まき、夏植え・秋植え
夏の種まき:6月~7月、植え付け:8月~9月、収穫:9月~11月
■連作障害:あり(4~5年あける)
■好適土壌pH:6.0~6.5
■発芽適温:20~30℃
■生育適温:16~28℃
秋ナスの種や苗を買いたい場合は、販売店をのぞいてみましょう!
秋でも開花結実しやすい強健な品種の苗や種が販売されています。
早生で生育力が強く、栽培しやすいため家庭菜園初心者でも安心して栽培できます。
特徴
秋ナスは年1回栽培することができる野菜で、秋ナスの旬は、9~11月です。
秋ナスの植え付けは、寒冷地以外では9月下旬まで可能で、収穫は、苗を植えてから40日~45日ぐらいで可能です。
ナスは、トマト、ピーマン、ジャガイモなどのナス科目に属しています。
秋ナスは日本でも古くから栽培されていて、煮物、炒め物、天ぷら、漬け物などの料理にとても重宝してくれます。
秋ナスは、真夏の8月から日照時間の短い秋でも栽培できるので、家庭菜園でも人気の高い野菜の一つです。
品種
秋採りナスの品種としては、『千両二号』『秋なすび』などの品種があります。
千両二号は、夏秋用ナスの代表品種で、長卵形のナスです。果色は濃黒紫色でツヤがよく、果実の肥大が早くて、長期栽培でも安定して多収することができます。
秋なすびは、真夏の酷暑時期から日照時間の短い秋でも開花結実しやすい強健な品種で、苗を植えて約45日~秋まで長期間収穫することができます。
栄養価
秋ナスは、93%以上が水分ですが、ビタミンB群、ビタミンC、カルシウム、鉄分、カリウム、食物繊維などが含まれます。
食物繊維が豊富で、秋ナスの皮には「ポリフェノール」が含まれています。
栽培のポイント
秋ナス栽培のポイントは、①日当たりと水はけのよい場所で栽培する、②乾燥に弱いので水切れに注意する、③追肥を施す、④連作をしないことです。
栽培時期
秋ナスの栽培時期は、地域や品種によって違いがありますが、関東地域では6月~7月に種まきを行い、8月~9月に植え付けをします。発芽適温は20~30℃、生育適温は16~28℃とされています。
連作障害
秋ナスは連作障害がありますので、同じ秋ナス科(トマト、ピーマン、ジャガイモ、シシトウ)やウリ科(キュウリ、スイカ)などを栽培した土壌では4~5年の期間をあけるようにします。
好適土壌pH
秋ナスの好適土壌pHは、6.0~6.5とされています。植え付けの2週間以上前までに苦土石灰をまき、土壌pHを適切に調整しておきます。
2.秋ナスの栽培基本(畑・プランター)
秋ナスの栽培は、種をポットまきして育苗して畑に植え付ける方法と、市販の苗を購入して畑に植え付ける方法があります。家庭菜園初心者の場合は、市販の苗を購入して栽培することをおすすめします。秋ナスの苗は、暑さにも低温にも強いので、安心して育てることができます。
種まき
秋ナスを種から育てる場合は、6月~7月に作業を行います。3号ポット(直径9cm)を使用すると、苗の植え付けの際に便利です。ポットに野菜用培養土を入れ、指先で深さ1cmの窪みを3箇所作り、各窪みに種を1粒ずつ入れて土を被せ、水やりを行い、25℃前後で管理します。
発芽日数は6日~8日ぐらいです。
間引き
秋ナスの種が発芽して、本葉が2~3枚出てきたら、形や生育の悪いものをハサミで切り取り、1ポット1株にして植え付け時期まで育てます。
土づくり
秋ナスを栽培するためには、畑の土作りが重要です。日当たりと水はけの良い場所を選び、植え付けの2週間前までに土作りを行います。苦土石灰1㎡当たり100~150gを全面に撒いて深く耕します。植え付けの1週間前になったら、堆肥1㎡当たり3~4kg、化成肥料100~200gを撒いて深く耕します。土をよく混ぜたら、畝を作ります。
1列で作る場合は畝幅60㎝、高さ10~15㎝の平畝にします。秋ナスは、土壌水分の不足によって生育不良を起こしやすいので、敷き藁を敷いて育てると良いです。
植え付け
畑に植え付ける時期は、8月~9月が最適となります。晴れた日の風のない穏やかな日に植え付け作業をします。ポット苗は、本葉6~8枚の丈夫なものを畑に植え付けます。
ポット苗の根と土が塊になっているものを「根鉢」と呼びます。苗を取り出すときは、株元を2本の指で挟み、ポットを逆さにして根鉢を崩さないようにします。畝に根鉢より大きめの植え穴を掘り、根鉢の土が地表面から1㎝程度出るように浅植えにし、周りの土を寄せて株元を軽く押さえます。
その後、たっぷりと水やりをします。秋ナスの植付け時期は暑い時期なので、しっかり土に根が張るまで水切れに注意してください。
秋ナスの株間は50~60cmあけます。
プランターでの栽培方法
秋ナスをプランターで栽培する場合は、大型で深さ30㎝以上のものを用意にします。植え付ける株は、幅65cmのプランターは2株、直径30cmの鉢は1株が目安となります。
水はけを良くするために、鉢底石を底部に敷きつめます。土は市販の野菜用培養土を利用すると便利です。土はプランターの高さ8分目まで入れ、ウオータースペースを作ります。市販の苗を購入する場合は、本葉6~8枚程度でつぼみ、または花がついている苗を選ぶようにします。また、節間が短く茎が太くてがっしりとしたものを選びます。
苗を取り出すときは、株元を2本の指で挟み、ポットを逆さにして根鉢を崩さないようにします。
プランターに根鉢より大きめの植え穴を掘り、根鉢の土が地表面から1㎝程度出るように浅植えにし、周りの土を寄せて株元を軽く押さえます。その後、たっぷりと水やりをします。秋ナスの植え付け後は、仮支柱を立てて風の弱い日当たりのよい場所で育てるようにします。
3.秋ナスの栽培手入れ
水やり
水は土が乾いたときにたっぷりと与えます。畑栽培の場合でも、雨が降らないときは水やりをします。プランター栽培では、土の表面が乾いていたら、底から水が流れるくらいたっぷり水やりをします。夏場は毎日水やりをしますが、炎天下は日中の水やりを避けます。
支柱立て
秋ナスの苗を植え付けたら、風による倒伏を防ぐため仮支柱を立てます。苗をそのままにしておくと、茎が曲がって生育不良になることもあります。仮支柱を立てる場合は、短めの支柱を株元から5㎝ほど離れた場所に斜めに差し込み、茎にひもを8の字にかけて支柱側で結びます。苗が大きくなったら本支柱に取り替えます。
最初から本支柱を立ててもかまいません。
本支柱を立てる場合は、長さ1.5m程度の支柱を用意し、株元から10㎝ほど離れた場所に垂直に立てます。支柱を立てたら、茎にひもを8の字にかけて支柱側で結びます。秋ナスの栽培では、主枝と側枝2本を伸ばす3本仕立てが基本ですので、側枝にも支柱を立てて枝を誘引します。
わき芽かき
秋ナスの栽培では、主枝と2本の側枝を伸ばして育てる3本仕立てが基本となります。一番花(一番最初に咲く花)が咲いたら、一番花のすぐ下のわき芽を2本残して、それより下のわき芽はすべて取り除きます。葉は残しておいて一番果を収穫した時に摘み取ります。再度出てきたわき芽も摘み取ります。わき芽を放っておくと、実のなりが悪くなるので早めに摘み取るようにします。主枝と残した2本の側枝(伸びたわき芽)から出てくるわき芽は放任し、実をならせます。わき芽かきは、ハサミから病気が移ることもあるので、指でかきとるようにします。
一番果の収穫
秋ナスの栽培では、株全体に栄養をまわして、株の生育を促すようにします。このため、一番果(一番花からできた実)はできるだけ早いうちに収穫するようにします。株の生育が遅いようであれば、二番果も早めに収穫するようにします。
追肥
秋ナスの追肥は、10日から2週に1回程度を、樹の様子を見ながら与えていきます。
摘葉・除草
秋ナスは生長が早いので、わき芽が伸びてきて新しい枝になります。葉の数が増えると、日当たりや風通しが悪くなり病気も起こりやすくなりますので、風通しが良くなるように枯れた枝葉をこまめに取り除くようにします。
4.秋ナスの収穫時期について
収穫適期
秋ナスは、苗を植えて約45日~秋まで長期間収穫することができます。品種によって収穫適期が異なります。果実をたくさん実らせると、株が疲れて収穫量が減ってしまうので、早めに収穫するようにします。
生理障害
秋ナスの栽培では、水分と肥料不足に注意し、日当たりを良くして栽培します。
株を丈夫に育てることによって、不良果実を減らすことができます。
5.秋ナスに発生しやすい病気
秋ナスに発生しやすい主な病気についてご紹介します。
うどんこ病
葉にうどん粉を振りかけたような白い斑点が現れます。白い粉の正体はカビで、被害が進むと樹勢が低下してきます。カビは空気が乾燥した環境を好むため、雨が少ない乾燥時には水を切らさないようにします。株間を十分取り、日当たりや風通しを良くして対処します。窒素過多の場合も病気が発生しやすいので、追肥にも気をつけます。うどん粉病が発症したら、白い斑点が出た秋ナスの葉は切り取って撤去処分します。
6.秋ナスに発生しやすい害虫
秋ナスに発生しやすい主な害虫についてご紹介します。
アブラムシ類
アブラムシは、体長1~4㎜ほどの害虫で、秋ナスの新芽や葉裏などに寄生し、汁液を吸って加害します。集団で吸汁するため、植物の生育が著しく悪くなり、寄生した植物を食べ尽くすと、健康な植物に移動して吸汁加害します。ウイルス病に感染している植物を吸汁すると、そのウイルスを体内に保毒するため、健康な植物にウイルス病を感染させます。また、アブラムシの甘露(排泄物)に菌が付着して、葉が黒くなるすす病を引き起こすことがあります。すす病が発生すると、光合成ができなくなり葉が枯れてしまいます。
アブラムシは、土壌中の窒素成分が多いと発生しやすいので、窒素肥料のやりすぎに注意します。アブラムシはウイルス病を媒介するため、早期発見と駆除に努めます。アブラムシの飛来を防ぐには、0.8㎜以下の目の細かい防虫ネットで覆うか、キラキラテープを張って飛来を防御する方法も効果があります。繁殖力が非常に旺盛なため、早急に発見して捕殺するか、殺虫剤を株全体に散布して駆除します。
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