1.パクチーの特徴と栽培時期
パクチーの育て方手順に沿って、畑やプランターでパクチーを栽培してみましょう!
パクチーは、家庭菜園で簡単に育てられるので、初心者が栽培するのにもオススメの野菜です。
■分類: セリ科コエンドロ属
■原産地:地中海沿岸
■主な旬: 5月~11月
■栽培時期:春まき
春まき栽培:種まき3月~5月、植え付け4月~5月、収穫時期5月~11月
■連作障害:あり(1~2年あける)
■好適土壌pH:6.0~6.5
■発芽適温:20℃前後
■生育適温:15~25℃
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パクチーの特徴
パクチー(別名:コリアンダー)は、地中海沿岸地方が原産のセリ科の野菜で、古代エジプト時代から栽培され、薬用や香辛料として利用されてきました。
パクチーは、英名で「コリアンダー」、タイ語で「パクチー」、中国語で「シャンツァイ(香菜)」とも呼ばれています。
パクチーには独特の強い香りがあり、タイ料理などのエスニック料理には欠かせない食材で、サラダやスープ、肉料理、魚料理などに幅広く使われています。
パクチーは、ビタミンCやビタミンB群などが豊富で、疲労回復や消化促進、美容などの効果があるといわれています。
パクチーは、寒さや害虫に比較的強いので、家庭菜園初心者にもおすすめの野菜です。栽培スペースも取らないため、プランターで気軽に育てることもできます。
パクチーの栄養素
パクチーには、β-カロテン、ビタミンC、ビタミンB群などが多く含まれています。
β-カロテンは、体内でビタミンAに変換され、目や粘膜、皮膚の健康を維持します。また、活性酸素を抑えて、ガンや生活習慣病の予防効果があるとされています。ビタミンCは、風邪の予防や疲労回復などの効果があるとされています。
パクチーの主な品種
パクチーの種や苗は、『パクチー』『コリアンダー』『シャンツァイ(香菜)』などの名称で販売されています。
パクチーの栽培ポイント
・日当たりと水はけ、風通しのよい場所で栽培する。
・直根性のため、植え付け時に根を傷めないように注意する。
・乾燥に弱いので、土が乾いたら水やりをする。
パクチーの栽培時期
パクチーの栽培時期は、品種や地域により異なりますので、種袋やホームセンターなどで確認するようにします。
中間地(関東地域)
春まき栽培:種まき3月上旬~5月上旬、植え付け4月上旬~5月下旬、収穫時期5月下旬~11月上旬
パクチーの連作障害
パクチーは連作障害を起こすため、同じ場所で栽培する場合は1~2年の期間を空けるか、他の場所を選んで栽培します。
プランター栽培では、常に新しい用土を使うことをおすすめします。
パクチーの好適土壌pH
パクチーの好適土壌pHは、6.0~6.5です。
酸性土壌に弱いので、あらかじめ苦土石灰をまいて土壌酸度を調整します。
2.パクチーの栽培方法(畑・プランター)
パクチーは、種から育てる方法と、園芸店やホームセンターなどで苗を購入して植え付ける方法があります。
畑栽培の場合
土づくり
日当たりと水はけの良い場所を選び、種まきや植え付けの2週間までに苦土石灰100g/㎡を全面にまいてよく耕します。
1週間前に完熟堆肥2㎏/㎡、化成肥料100g/㎡を施してよく耕し、幅60㎝、高さ10~15㎝の畝を作ります。
種まき
パクチーの種まきは、直まき(点まきまたはすじまき)とポットまきができます。
パクチーの種は、硬い殻の中に2個の種子が合わさっているので殻を割って2個に分け、一晩水を漬けてからまくと発芽率が高まります。
点まきの場合は、直径5㎝、深さ1㎝ほどの窪みを作り、種を3~5粒まいて土をごく薄く被せ、手で軽く押さえて土と種を密着させ、その後たっぷりと水やりをします。発芽したら、本葉3~4枚の頃に間引いて1本立ちにします。
すじまきの場合は、深さ1㎝ほどの溝を作り、1~2㎝間隔で種をまいて土をごく薄く被せ、手で軽く押さえて土と種を密着させ、たっぷりと水やりをします。葉が触れ合うようになったら、数回に分けて間引きを行い、最終的に株間を20㎝くらいにします。
ポットまきの場合は、3号ポット(直径9㎝)に培養土を入れ、指先で深さ1㎝ほどの窪みを3~4箇所作り、1粒ずつ種をまきます。
土をごく薄く被せて手で軽く押さえ、土と種を密着させて水やりをします。本葉3~4枚の頃に間引いて1本立ちにし、本葉5~6枚の頃に植え付けます。
植え付け
ポット苗を植え付ける際は、ポリポットよりも少し大きめの植え穴を作り、根鉢を崩さずに根鉢の肩が地面と同じ高さになる程度に植え付けます。株間は30㎝程度にします。
植え付け後は、株元に周りの土を寄せて手で軽く押さえて土と根鉢を密着させ、たっぷりと水やりをします。
プランター栽培の場合
プランターは、標準タイプ(深さ20㎝以上)で4~5株、5号鉢(直径15㎝)で1株が栽培目安となります。
パクチーは、種から育てることができますが、栽培する株が少ないときは、市販の苗を利用すると簡単です。
用土
パクチーは連作を嫌うので、用土は新しいものを使うことをおすすめします。ホームセンターなどで野菜用培養土を購入すると、土づくりの手間が省けます。
排水性を良くするため、鉢底石をプランターの底に敷き詰めて、野菜用培養土を8分目ほど入れます。
種まき
プランターでパクチーを種から育てる場合は、直まき(点まきまたはすじまき)とポットまきができます。
種のまきかたは、畑栽培と同じ手順で行います。
植え付け
ポット苗を植え付ける場合は、ポリポットよりも少し大きめの植え穴を作り、根鉢を崩さずに根鉢の肩が土の表面と同じ高さになる程度に植え付けます。
植え付け後は、株元に周りの土を寄せて手で軽く押さえて土と根鉢を密着させ、たっぷりと水やりをします。
プランターや鉢は、日当たりと風通しの良い場所で管理します。梅雨の時期は雨の当たらない場所に移動し、夏場は直射日光が当たらないようにします。
3.パクチーの栽培手入れ
収穫までの主な作業は、水やり、追肥、花芽の摘み取りなどです。
水やり
畑栽培は、苗が根付くまでの間は土の表面が乾かないように水やりをします。
その後は自然の降雨で足りますが、雨が少ないときは土が乾燥しないように水やりをします。
パクチーは、株元に敷きわらを施すと乾燥防止と泥はね防止になります。
プランター栽培は、苗が根付くまでの約1週間はたっぷりと水を与えます。
その後は土の表面が乾いたら、容器の底から水が流れ出るくらいたっぷりと水やりをします。
パクチーは水分を好む野菜ですが、水の与え過ぎは徒長や病気の原因となるので、水のやりすぎに注意します。
追肥
パクチーは、植え付けから約40日後に葉の収穫ができるので、追肥はさほど必要ありません。
収穫を長く続ける場合や種を収穫する場合は、株や葉の様子を見て生育が悪いようであれば月に1回程度、追肥を施します。
畑栽培は、化成肥料30g/㎡を株の周りにまき、土の表面をほぐして土と肥料を軽く混ぜ合わせて株元に土寄せをします。
プランター栽培は、化成肥料10g程度をプランターの縁にまき、軽く土と混ぜ合わせます。株元がふらつくようであれば、土寄せや増し土をします。
花芽の摘み取り
パクチーの葉を収穫する場合は、5〜6月頃に花芽を摘んで開花させないように管理します。
花が咲くと、葉に回る養分が不足して葉が硬くなるので、花芽が付いたら早めに取り除きます。
4.パクチーの収穫時期
パクチーは、植え付け後40日ほど経過し、草丈が15㎝ほどになったら葉の収穫ができます。
収穫する際は、外側の軟らかい葉を株元からハサミで切り取るか、株ごと引き抜いて収穫します。
パクチーは、外葉から収穫すると内側から新しい芽が伸びてくるので、長く収穫を楽しむことができます。1株から一度に多くの葉を収穫すると株の勢いが衰えてしまうので、適度に収穫するようにします。また、花が咲くと葉が硬くなって風味が落ちてしまうので、早めに収穫するようにします。
種を収穫する場合は、花芽を摘み取らずに育てて結実させます。種が茶色くなったら株ごと刈り取り、風通しのよい日陰で乾燥させてから紙袋などに入れて冷蔵庫で保管します。
5.パクチーに発生しやすい病気
パクチーは病気に強い野菜ですが、うどんこ病などに注意します。
うどんこ病
うどんこ病はカビによる病気で、葉や葉柄に白い粉をまぶしたようなカビが斑点状に発生します。病気が進行すると葉がカビで覆われ、光合成ができなくなって葉が枯れてしまいます。空梅雨の年や雨が少ない乾燥した年に多発します。
窒素過多になると株が軟弱に育つため、窒素肥料を少なめにし、日当たりと風通しをよくします。発病した葉は、切り取って畑の外に撤去処分します。
6.パクチーに発生しやすい害虫
パクチーは、害虫被害が少ない植物ですが、アブラムシやヨトウムシなどに注意します。
アブラムシ
アブラムシは、パクチーの新芽や茎などに群生し、口針を刺して栄養分を吸汁して生育を阻害します。また、未感染の植物に病原ウイルスを媒介するので、早期発見と早期駆除がセオリーです。
アブラムシの飛来を防ぐには、0.8㎜以下の目の細かい防虫ネットで覆うか、キラキラテープを張って飛来を防御する方法などがあります。窒素肥料の与えすぎにも注意します。
ヨトウムシ
ヨトウムシはヨトウガの幼虫で、一晩で野菜を食い尽くすほどの害虫です。
苗の植え付け時に防虫ネットで覆うと産卵の被害を抑えることができます。葉の裏をこまめに観察して、卵を見つけたら孵化する前に葉ごと切り取って駆除します。
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