ズッキーニの育て方・栽培方法

ズッキーニの育て方・栽培方法

1.ズッキーニ栽培の特徴と時期


ズッキーニの育て方手順に沿って、畑やプランターでズッキーニを栽培してみましょう!
ズッキーニは比較的簡単に育てられるので、初心者が栽培するのにもオススメの野菜です。

ズッキーニの栽培データ
■ズッキーニの栽培難易度:普通
■分類:ウリ科カボチャ属
■原産地:北アメリカ
■ズッキーニの旬:6月~8月
■栽培時期:春まき・春植え
種まき:3月~4月、植え付け:4月~5月、収穫時期:6月~8月
■連作障害:少ない(1~2年あける)
■好適土壌pH:6.0~6.5
■発芽適温:25~30℃
■生育適温:20~28℃

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ズッキーニの特徴

ズッキーニは、北アメリカ原産のウリ科カボチャ属の野菜で、つるが伸びないので「つるなしカボチャ」とも呼ばれています。
ズッキーニはペポカボチャの仲間で、外見はキュウリのように細長く、果皮の色は緑色や黄色などがあり、形が球状の品種もあります。
日本には、イタリア料理の人気と相まって、昭和50年代にアメリカから輸入されたと言われています。

ズッキーニは、油との相性がよく、油炒めや天ぷら、煮物などがおすすめで、どんな料理にも重宝な食材です。
また、カボチャよりも低カロリーで糖質が少なく、ダイエットにも最適の野菜と言われています。
ズッキーニには、ビタミンCやカリウムが多く含まれていて、風邪の予防や疲労回復、高血圧の予防効果などがあるとされています。

ズッキーニは、カボチャよりも育てやすく、春になると苗が販売されるので手軽に始めることができます。
ズッキーニは、家庭菜園初心者におすすめの野菜で、つるが伸びないのでプランターでも栽培することができます。

ズッキーニの栄養素

ズッキーニには、β-カロテン、ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンK、カリウム、カルシウム、食物繊維などが含まれています。
β-カロテンは、活性酸素を抑えてガンや生活習慣病の予防効果があり、目や粘膜の健康を保ちます。ビタミンCは風邪の予防や疲労回復、カリウムは高血圧の予防改善やむくみの解消に効果があるとされています。

ズッキーニの主な品種

ズッキーニには多くの品種がありますが、育て方はほとんど同じです。
『ブラックトスカ』『グリーントスカ』『ダイナー』『オーラム』『モスグリーン』『ゼルダ・ネロ』『グリーンボート1号、2号』『ゴールディー』など。

ズッキーニの栽培ポイント

・日当たりと風通しのよい場所で栽培する。
・遅霜の心配がなくなってから苗を植え付ける。
・人工授粉を行って、確実に着果させる。
・栽培期間が長いので、定期的に追肥を施す。

ズッキーニの栽培時期

ズッキーニの生育適温は20~28℃ですので、地温が十分に上がってから植え付けをします。収穫は、植え付けから約2か月後となります。
中間地(関東地域)
種まき:3月下旬~4月下旬、植え付け:4月下旬~5月下旬、収穫時期:6月中旬~8月中旬

ズッキーニの連作障害

ズッキーニは、連作障害が出にくい野菜ですが、ウリ科野菜の連作を避け、同じ場所で栽培する場合は1~2年の期間を空けるか、他の場所を選んで栽培します。
連作すると、土壌中の微生物に偏りが出て生育に悪影響を及ぼし、病害虫も発生しやすくなります。
プランター栽培では、常に新しい用土を使うことをおすすめします。

ズッキーニの好適土壌pH

ズッキーニの好適土壌pHは、6.0~6.5とされています。植え付けの2週間以上前までに苦土石灰をまき、土壌pHを調整しておきます。

2.ズッキーニの栽培方法(畑・プランター)

肥料

ズッキーニは種からでも育てられますが、栽培初心者の場合は、市販の苗を利用すると育苗の手間が省けます。
ポット苗は、4月上旬頃から販売されます。本葉3~4枚程度で、節間が詰まっているがっしりとした苗を選ぶようにします。

畑栽培の場合

畑栽培は、しっかりと土づくりを行い、畝(うね)を作って栽培します。

土づくり

日当たりと風通しの良い場所を選び、植え付けの2週間以上前に苦土石灰100~150g/㎡を全面にまいてよく耕します。
1週間前に完熟堆肥2~3㎏/㎡、化成肥料100g/㎡を全面にまいてよく耕し、畝をつくります。畝幅は80~100㎝程度、高さ10~15㎝にします。

種まき

ズッキーニは、直まきすることもできますが、ポットで育苗してから植え付ける方法(ポットまき)がおすすめです。
ポットまきは、3号ポット(直径9㎝)に種まき用土を入れ、指先で1㎝ほどの窪みを2~3箇所作り、1粒ずつ種をまきます。土を1㎝ほど被せて手で軽く押さえ、土と種を密着させてたっぷりと水やりをします。
発芽するまでは27℃前後で管理し、土の表面が乾いたら水やりをします。

発芽したら本葉1~2枚の頃に生育の悪いものをハサミで切り取り、1ポット1本にして植え付け時期まで育てます。
苗は、本葉4~5枚の頃が植え付け適期で、遅霜の心配が無くなってから植え付けます。

植え付け

苗を植え付ける際は、ポリポットよりも少し大きめの植え穴を作り、根鉢を崩さないで、根鉢の肩が土の表面より少し高くなるくらいに植え付けます。
株元に土を寄せて手で軽く押さえて株を安定させ、たっぷりと水やりをします。株間は80㎝以上あけます。

畑栽培では、植え付け後に株元に敷きわらを施すと乾燥防止のほか、泥はねによる病害虫の予防や雑草対策になります。

プランター栽培の場合

野菜用大型プランター(深さ30㎝以上)や10号鉢(直径30㎝)以上を用意し、1つのプランターに1株を植え付けます。

用土

ズッキーニは連作障害を起こすので、新しい用土を使うことをおすすめします。ホームセンターなどで野菜用培養土を購入すると、土づくりの手間が省けます。
排水性を良くするため、プランターの底に鉢底石を敷き詰めて、上部から3㎝下のところまで培養土を入れます。

種まき

種まきから始める場合は、ポットまきがおすすめです。
ポットまきの手順は、畑栽培と同じように行います。

植え付け

苗を植え付ける際は、ポリポットよりも少し大きめの植え穴を作り、根鉢を崩さないで根鉢の肩が土の表面より少し高くなるくらいに植え付けます。
株元に土を寄せて手で軽く押さえて株を安定させ、たっぷりと水やりをします。
プランターや鉢は、日当たりと風通しの良い場所で管理します。

3.ズッキーニの栽培手入れ

水やり

収穫までの主な作業は、水やり、追肥、支柱立て、人工授粉などです。

水やり

畑栽培は、苗の植え付け時にたっぷりと水やりをします。その後は自然の降雨で足りるので、基本的に水やりの必要はありません。雨が何日も降らないようであれば、土の状況を確認して水やりをします。

プランター栽培は、苗が根付くまでの約1週間はしっかりと水を与えます。
その後は、土の表面が乾いたら容器の底から水が流れ出るまでたっぷりと水やりをします。

追肥

畑栽培は、植え付けから約1か月後に化成肥料30g/㎡を株の周りにまき、土と肥料を軽く混ぜて株元に土寄せをします。
以後は、1か月に1~2回を目安に同量を株の周りにまき、土と肥料を軽く混ぜて株元に土寄せをします。

プランター栽培は、植え付けの約2週間後に化成肥料10g程度をプランターの縁にまき、土と肥料を軽く混ぜ合わせます。
以後は、1か月に1~2回を目安に同量をプランターの縁にまいて土と肥料を軽く混ぜ合わせます。

支柱立て

茎葉が生長してきたら、株の倒伏を避けるために早めに支柱を立てます。長めの支柱を垂直に立てて、麻ひもなどで8の字にして支柱に固定します。
茎を無理に曲げると折れてしまい、傷口から病原菌が入ることがあるので注意します。

人工授粉

ズッキーニは、昆虫や風によって授粉することもありますが、確実に受粉させるためには人工授粉が必要です。人工授粉は、晴れた日の午前9時頃までに行うようにします。
花の付け根が膨らんでいるのが雌花、膨らみがないものが雄花です。雌花が咲いたら、その日に咲いた雄花の花粉や花弁を雌花の柱頭に押し付けて授粉させます。授粉がうまく行われなかった実や枯れた茎葉は早めに取り除き、良い果実に栄養をまわすようにします。

4.ズッキーニの収穫時期

ズッキーニの収穫

ズッキーニの収穫適期は6月中旬~8月中旬頃で、開花後4~10日で収穫ができます。
果実の長さが15~20㎝になったら、株元のヘタの部分をハサミで切り取って収穫します。切り口が腐れやすいので、清潔なハサミを使って晴れた日の午前中に収穫するようにします。
収穫後は、果実の下の葉を数枚残して切り取り、風通しを良くすることも大切です。
また、受粉がうまくいかなかった場合や水分不足などで奇形果ができることもあります。奇形果は病気を発症しやすいので、早めに取り除くようにします。

5.ズッキーニに発生しやすい病気

ズッキーニ

ズッキーニは、うどんこ病やモザイク病が発生しやすいので注意します。

うどんこ病

うどんこ病はカビによる病気で、ズッキーニの葉にうどん粉をまぶしたような白い斑点が現れます。被害が進むと光合成が阻害されて生育が悪くなり、葉が枯れてしまいます。
カビは空気が乾燥した環境を好むため、空梅雨や雨が少ない年に多発します。窒素肥料が多いと発生しやすいので、追肥にも気をつけます。日当たりや風通しをよくし、発病した葉は切り取って畑の外に持ち出して処分します。持ち出す際は、健全な葉に粉が飛散しないように注意します。

モザイク病

モザイク病は、ウイルスによる病気でほとんどの野菜に発生します。ズッキーニの葉に緑と淡黄色の斑紋が現れ、株の生育が阻害されます。ウイルスはアブラムシが媒介するほか、モザイク病に感染した植物に使用したハサミを使うことで感染を拡大させてしまうケースもあります。モザイク病は一度感染すると薬剤治療ができないため、アブラムシの飛来を予防します。また、雑草の防除や風通しを良くすることも大切です。発病したズッキーニの葉や株は早めに撤去して、感染拡大を防ぐようにします。

6.ズッキーニに発生しやすい害虫

ズッキーニは、アブラムシやウリハムシが発生しやすいので注意します。

アブラムシ

アブラムシは、ほとんどの野菜に発生する体長2~4㎜ほどの害虫で、ズッキーニの葉の裏などに寄生して汁液を吸収し、ウイルス病を媒介します。アブラムシの甘露(排泄物)に菌が付着して、葉が黒くなるすす病を引き起こすことがあります。アブラムシは、土壌中の窒素成分が多いと発生しやすいので、窒素肥料のやりすぎに注意します。繁殖力が非常に旺盛なため、早急に発見して捕殺するか、発生初期に殺虫剤を株全体に散布して駆除します。

ウリハムシ

ウリハムシは、ズッキーニの葉や根を食害します。成虫はウリ科の作物が植え付けられると飛来し、株元の土中に卵を産み付けます。
成虫は、体を回転させながら葉の表面を食害するため、円形の食害痕が残るのが特徴です。
ウリハムシの成虫は、人が近づくとさっと逃げてしまいます。日中は動きが活発なので、気温の低い午前中に見つけて捕殺します。

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