ゴボウ・ごぼう(ミニゴボウ)の育て方・栽培方法

ゴボウ

1.ゴボウ栽培の特徴と時期


ゴボウの育て方手順に沿って、畑やプランターでゴボウを栽培してみましょう!
ミニサイズのゴボウは簡単に育てられるので、初心者が栽培するのにもオススメの野菜です。

ゴボウ(ミニゴボウ)の栽培データ
■ゴボウの栽培難易度:★★★☆☆
■分類:キク科ゴボウ属 
■原産地:ヨーロッパ、中国
■ゴボウの旬:7~10月
■栽培時期:春まき
 春の種まき:3~6月、収穫時期:7~10月
■連作障害:あり(4~5年あける)
■好適土壌pH:6.0~6.5
■発芽適温:20~25℃ 
■生育適温:20~25℃

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特徴

ゴボウは、キク科ゴボウ属でヨーロッパなどが原産で、中国から薬草として伝わり、江戸時代に食用として利用されるようになりました。外国ではほとんどが薬用として利用され、ゴボウを食用としているのは日本だけと言われています。
ゴボウは、きんぴら、天ぷらのかき揚げ、煮物などの和食のほか、サラダにも利用されています。
ゴボウの栽培難易度は中くらいですが、ミニサイズの品種は家庭菜園初心者でも比較的栽培が可能です。

品種

ゴボウは、根の長さにより、長根種と短根種(ミニゴボウ)に分けられます。家庭菜園初心者の場合は、長さ30~40㎝の短根種で、春まきの品種をおすすめします。『山田早生』『サラダむすめ』『ダイエット』『百日一尺』などの品種があります。
家庭菜園では、栽培しやすい短根ゴボウからチャレンジする人も増えています。

栄養価

ゴボウには、イヌリン、リグニン、セルロースなどの食物繊維が豊富で、悪玉コレステロールを排出し、血糖値の上昇を抑えるため、大腸がん、高血圧、糖尿病の予防、コレステロール低下に効果があるとされています。
また、アクの成分には抗酸化作用の高いポリフェノールが含まれ、がん予防、老化防止に効果があるとされています。

栽培のポイント

ゴボウの栽培ポイントは、①日当たりと水はけの良い場所で栽培する、②連作を避ける、③種まきの際は土は薄くかける、④間引きを適時に行い、株間を広くとることです。

栽培時期

ゴボウは暑さには強い野菜ですが、霜にあたると枯れてしまうので、春まきが一般的です。春まきは、3月下旬~6月上旬に種まきをします。発芽適温、生育適温は20~25℃です。地域や品種によって違いがありますので、種袋の記載を見て栽培するようにします。

連作障害

ゴボウには連作障害がありますので、一度ゴボウを栽培した場合は、4~5年の期間をあけるようにします。

好適土壌pH

ゴボウの好適土壌pHは、6.0~6.5です。苦土石灰をまいて土壌酸度を調整します。

2.ゴボウの栽培基本(畑・プランター)

ゴボウの種まき

土づくり

ゴボウを畑に栽培するときは、水はけが良く、日当たりの良い場所を選びます。種まきの2週間前までに苦土石灰1㎡当たり100~150gを全面にまいてよく耕します。1週間前に1㎡当たり堆肥2kg、化成肥料100gをまいて深く耕します。種まき前までに、畝を作ります。畝は幅60㎝、高さ15~30㎝程度にして表面を平らにします。石や土のかたまりがあると、根が分かれる「また根」の原因になりますので、とり除くようにします。

種まき

ゴボウの種まきは、春まきの場合、3月下旬~6月上旬に行います。発芽適温は20~25℃と高めですので、地温が上昇してから種をまきます。ゴボウの種は皮がかたいので、前日に一晩水に浸けておくと発芽率が高くなります。
ゴボウは、間引きをしながら育てるので、すじまきが一般的です。支柱などを使って、深さ0.5~1㎝のまき溝を作り、1㎝間隔で種が重ならないように溝にまきます。ゴボウの種は好光性ですので、土は薄くかぶせるようにします。種をまいたら、まき溝の両側の土を薄く被せて表面を軽く手で押さえます。発芽するまでは、乾かさないように水やりをします。

点まきにする場合は、ビンの底などを使って深さ0.5~1㎝の窪みを作り、1箇所に3~4粒ずつ等間隔にまきます。株間は15㎝にします。土を薄く被せて、表面を手で軽く押さえて水やりをします。

間引き・追肥

ゴボウは、2週間ほどで発芽しますので、すじまきの場合は、双葉が展開したら3~4㎝間隔に間引きます。生育の良すぎる苗や悪い苗を選び、株元を手で押さえて引き抜きます。株元をハサミで切っても大丈夫です。間引き後は、周囲の土を軽くほぐして株元に寄せます。2回目の間引きは、本葉3~4枚の頃に5~6㎝間隔になるようにし、土寄せをします。3回目の間引きは、本葉5~6枚の頃に10~15㎝間隔になるようにし、土寄せをします。
点まきの場合は、双葉が出たら1回目の間引きを行い、育ちの悪い株を間引いて、1箇所2本にします。本葉4~5枚になったら1箇所1本にします。

追肥は、2回目の間引き後に行います。化成肥料を1㎡当たり20~30gを施し、表面の土と肥料を軽く混ぜて、株元に土を寄せます。以後は、2週間に1回、同様に追肥します。間引いたものは、葉ゴボウとして、油炒めや天ぷらにして食べることができます。

プランターでの栽培方法

ゴボウのプランター栽培では、短根種のミニゴボウが適しています。容器は、深型(30㎝以上)のものを用意します。
土は市販の培養土を利用すると便利です。鉢底石を敷き詰めて、土は8分目くらい入れてウオータースペースを作ります。

ゴボウは、育苗をして植付けることはできないので、プランターへ直接種をまきます。点まきの場合は、ビンの底などを利用して深さ1㎝ほどのくぼみを作り、種が重ならないように4~5粒まいて、土を軽くかぶせます。手で土を上から押さえ、土と種を密着させ、水をたっぷりやります。

発芽して、双葉が出たら1回目の間引きを行います。育ちの悪い株を間引いて、1箇所2本にします。本葉が2~4枚になる頃に2回目の間引きを行い、1箇所1本にします。間引く際は残す株を傷つけないように、ハサミで根元を切り取ります。

2回目の間引きが終わったら追肥をします。化成肥料2~3gを株の周りに施し、土と軽く混ぜてから株元に土寄せします。以後は、2週間ごとに同様に追肥を施します。

3.ゴボウの栽培手入れ

水やり

除草

ゴボウは、栽培初期は雑草の除去が重要です。発芽まで2週間くらいかかるので、ゴボウの芽が雑草に負けないようにこまめに除草を行います。雑草に養分が取られると生育に影響が出て、病害虫の発生にもつながります。除草は適度に行っていくのが無難です。数日おきに除草を行えば、その手間もさほどかかりません。

水やり

ゴボウの種をまいたら、発芽するまでは土が乾燥しないように注意します。プランター栽培では、土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えます。畑栽培の場合は、水やりは必要ありませんが、乾燥がひどい時は水やりをします。

4.ゴボウの収穫時期と生理障害

ゴボウの収穫

収穫適期

ゴボウの種をまいて3か月程度たったら、茎の状態を見て収穫します。短根種は、直径1~1.5㎝程度で若どりします。手で株元を持ちながら、まっすぐ上に引き抜きます。収穫が遅れるとスが入るので、早めに収穫します。早めに収穫した方が香りも良く、軟らかくておいしいゴボウを採ることができます。

生理障害

ゴボウは、連作を嫌い、日当たりがよく、水はけのよい場所を好みます。連作を行うと病害虫の発生が大きくなります。ゴボウは葉が大きくなるため、密植状態では株が日照不足となります。間引きを適度に行い、株間を十分にとるようにします。窒素肥料の過多にも注意します。窒素肥料が多いと葉が繁りすぎて、根の肥大が悪くなります。

5.ゴボウに発生しやすい病気

ゴボウ

ゴボウに発生しやすい主な病気についてご紹介します。

うどんこ病

ゴボウの葉や茎にうどん粉を振りかけたような白い斑点が現れます。白い粉の正体はカビで、被害が進むとゴボウの株全体に広がり、最終的には全部枯れてしまいます。このカビは空気が乾燥した環境を好むため、乾燥時には水を切らさないようにします。株間を十分取り、日当たりや風通しを良くして対処します。
窒素過多の場合も病気が発生しやすいので、追肥にも気をつけます。うどん粉病が発症したら、白い斑点が出たゴボウの葉は切り取って撤去処分します。白い粉が他の葉に飛んで病気が広がることもありますので、注意します。

黒斑病(こくはんびょう)

ゴボウの葉や葉柄に、褐色~茶褐色の丸い小斑点が現れます。病斑が大きくなると葉の中央部が破れやすくなります。連作や密植を避け、肥料切れにも注意します。発病したゴボウの葉は、切り取って除去します。

萎凋病(いちょうびょう)

萎凋病はゴボウの根が病原菌に侵されて、下の葉から徐々に枯れていき、最終的に株全体が萎れて枯れてしまう病気です。発症したゴボウの株は撤去処分します。発病後の治療はできないので、連作を避けて予防します。

モザイク病

モザイク病は、アブラムシがウイルスを媒介します。ゴボウの葉にモザイク状の斑点ができて、葉が縮んでしまいます。モザイク病にかかった株の汁を吸ったアブラムシが、ほかの健康な株の汁を吸うと健康な葉にも伝染して被害が拡大します。病気になったゴボウの株は撤去処分します。アブラムシを防除することがモザイク病の予防になります。

6.ゴボウに発生しやすい害虫

ゴボウに発生しやすい主な害虫についてご紹介します。

アブラムシ

アブラムシは、体長1~5㎜ほどの小さな虫で、成虫が飛来してきてゴボウの葉に産卵します。ウイルス病を媒介するため、健康な株にも病気が拡大します。繁殖力が強く、集団で食害するため被害が大きくなります。寄生される前に防虫ネットで覆い、飛来を予防します。窒素過多にも注意します。

センチュウ類

センチュウ類は、体長1㎜以下の無色透明の虫で土の中に棲み、ほとんどの野菜が被害を受けます。ネコブセンチュウは根の先端から侵入し、根にこぶを作ります。根が枝分かれしたり、生育が遅くなります。連作を避け、良質な堆肥で土を団粒化して予防します。

ヨトウムシ

ヨトウムシは、ヨトウガの幼虫で、ゴボウの葉裏に卵を産みつけます。幼虫は食欲旺盛で、夜間になると活動し、葉脈だけ残して食害します。繁殖力も強く、集団で活動するため被害が大きくなります。日中は土の中に潜り込んでいるため発見が困難です。こまめにゴボウの葉裏を観察し、卵の段階で駆除するのが効果的です。窒素過多にも注意します。

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